けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

繰延資産(開業費・創立費・開発費)の償却の計算

繰延資産とは、支出した費用のうち、その支出の効果が支出の日より後まで長く及ぶもので、開業費・開発費などとして政令で決められたものをいい、支出した年に全額を経費にせず、何年かに分けて償却するものである(所得税法第2条第1項第20号・法人税法第2条第24号)。

個人で任意の額にできるのは開業費だけです。開発費は60か月の均等になります(所得税法施行令第137条第1項第1号・第3項)。法人は創立費・開業費・開発費とも任意です(法人税法施行令第64条第1項第1号)。

計算する

範囲は所得税法施行令第7条第1項・法人税法施行令第14条第1項
円
円前の年(事業年度)までに必要経費・損金に入れた額
か月支出した年は、支出した日からの月数。1か月未満の端数は1か月(所得税法施行令第137条第2項・法人税法施行令第64条第4項)
か月法令に年数は無い。国税庁の通達の目安を見て入れる(12か月以上)

計算例

既定の入力の場合、この年(事業年度)に必要経費に入れられる上限は1,200,000円である(所得税法施行令第137条第1項第1号・所得税法施行令第137条第3項)。下の例はこの画面の計算そのもので出しており、行ごとに条番号を付けている。

既定の入力

支出したのは 個人(所得税)/繰延資産の種類 開業費/繰延資産の額(支出した額) 1,200,000円/既に償却した額 0円/その年(事業年度)に業務を行っていた月数 12か月/支出の効果の及ぶ期間(「その他」のときだけ) 60か月

項目金額条番号
まだ償却していない額(繰延資産の額 − 既に償却した額)1,200,000円所得税法施行令第137条第1項第1号
額 ÷ 60 × 12か月240,000円所得税法施行令第137条第1項第1号
この年(事業年度)に必要経費に入れられる上限1,200,000円所得税法施行令第137条第1項第1号・所得税法施行令第137条第3項(まだ償却していない額までなら、いくらでもよい)
  • 個人の開業費は、額の範囲内で確定申告書に書いた額を必要経費にできる(所得税法施行令第137条第3項)。書かなければ、60か月で割った 240,000円になる(所得税法施行令第137条第1項第1号)
  • 条文に1円未満の扱いの定めは無い。1円未満を切り捨てて出している

法人の創立費

支出したのは 法人(法人税)/繰延資産の種類 創立費・株式交付費・社債等発行費(法人だけ)/繰延資産の額(支出した額) 300,000円/既に償却した額 0円/その年(事業年度)に業務を行っていた月数 12か月/支出の効果の及ぶ期間(「その他」のときだけ) 60か月

項目金額条番号
まだ償却していない額(繰延資産の額 − 既に償却した額)300,000円法人税法施行令第64条第1項第1号
この年(事業年度)に損金に入れられる上限300,000円法人税法施行令第64条第1項第1号(まだ償却していない額までなら、いくらでもよい)
  • 法人の創立費・開業費・開発費・株式交付費・社債等発行費は、まだ償却していない額が償却限度額である(法人税法施行令第64条第1項第1号)
  • 損金に入るのは、損金経理をした額のうちこの上限までである(法人税法第32条第1項)
  • 条文に1円未満の扱いの定めは無い。1円未満を切り捨てて出している

個人の開発費(60か月の均等)

支出したのは 個人(所得税)/繰延資産の種類 開発費/繰延資産の額(支出した額) 1,200,000円/既に償却した額 0円/その年(事業年度)に業務を行っていた月数 12か月/支出の効果の及ぶ期間(「その他」のときだけ) 60か月

項目金額条番号
まだ償却していない額(繰延資産の額 − 既に償却した額)1,200,000円所得税法施行令第137条第1項第1号
額 ÷ 60 × 12か月240,000円所得税法施行令第137条第1項第1号
この年(事業年度)に必要経費に入れられる上限240,000円所得税法施行令第137条第1項第1号
  • 個人の開発費は60か月の均等である。任意の額にできるのは開業費だけ(所得税法施行令第137条第3項)
  • 条文に1円未満の扱いの定めは無い。1円未満を切り捨てて出している

個人が店舗の権利金を5年で償却する(開業した年は8か月)

支出したのは 個人(所得税)/繰延資産の種類 その他(権利金・公共的施設の負担金など)/繰延資産の額(支出した額) 1,500,000円/既に償却した額 0円/その年(事業年度)に業務を行っていた月数 8か月/支出の効果の及ぶ期間(「その他」のときだけ) 60か月

項目金額条番号
まだ償却していない額(繰延資産の額 − 既に償却した額)1,500,000円所得税法施行令第137条第1項第1号
額 ÷ 支出の効果の及ぶ60か月 × 8か月200,000円所得税法施行令第137条第1項第2号
この年(事業年度)に必要経費に入れられる上限200,000円所得税法施行令第137条第1項第2号
  • 月数は暦に従って数え、1か月に満たない端数は1か月とする(所得税法施行令第137条第2項)
  • 条文に1円未満の扱いの定めは無い。1円未満を切り捨てて出している

法人が20万円未満の権利金を払った

支出したのは 法人(法人税)/繰延資産の種類 その他(権利金・公共的施設の負担金など)/繰延資産の額(支出した額) 180,000円/既に償却した額 0円/その年(事業年度)に業務を行っていた月数 12か月/支出の効果の及ぶ期間(「その他」のときだけ) 60か月

項目金額条番号
まだ償却していない額(繰延資産の額 − 既に償却した額)180,000円法人税法施行令第64条第1項第1号
この年(事業年度)に損金に入れられる上限180,000円法人税法施行令第134条(支出した額が200,000円未満なので、支出した事業年度に全額)
  • 支出した事業年度に損金経理をした場合に限る(法人税法施行令第134条)
  • 損金に入るのは、損金経理をした額のうちこの上限までである(法人税法第32条第1項)
  • 条文に1円未満の扱いの定めは無い。1円未満を切り捨てて出している
条番号
所得税法施行令第137条/法人税法施行令第64条/法人税法第32条第1項
適用
所得税法施行令第137条・第139条の2(個人)。法人税法施行令第64条・第134条(法人)
出どころ
所得税法施行令(昭和四十年政令第九十六号)
適用年度
所得税法施行令 2026-05-22 施行(改正版 340CO0000000096_20260522_508CO0000000093)
出どころ
法人税法施行令(昭和四十年政令第九十七号)
適用年度
法人税法施行令 2026-07-31 施行(改正版 340CO0000000097_20260731_508CO0000000094)
出どころ
法人税法(昭和四十年法律第三十四号)
適用年度
法人税法 2026-10-01 施行(改正版 340AC0000000034_20261001_508AC0000000012)
取得日
2026-10-04

この計算は 2026-10-04 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。所得税法施行令 で今の条文を確かめられます。

有資格者の監修は受けていません。ここに出る金額は、申告・届出・請求に用いる金額そのものではありません(運営者情報)。

確かめ方弱 個人・法人と4種類の分け方、60か月の均等、20万円未満の境目、まだ償却していない額を超えないこと、1円未満の切り捨てを試験で照合。正解の表は無い(検算の3つの強さの違い)

どこまでを計算しているか

支出の効果の及ぶ期間(権利金などの年数)は法令に無く、国税庁の通達が目安を示しているので、入れてもらう形にしている。前払費用や、資産の取得に要した費用に当たるか(所得税法施行令第7条第1項・法人税法施行令第14条第1項)の判定はしていない。法人の適格組織再編成で引き継いだ繰延資産と評価換え(法人税法施行令第64条第2項・第3項)は扱っていない。

条文

所得税法施行令(2026-05-22 施行)/法人税法施行令(2026-07-31 施行)/法人税法(2026-10-01 施行)から取りました。6250字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(時点ごとの条文の比べ方)。

所得税法施行令第137条/法人税法施行令第64条/法人税法第32条第1項 を開く

(繰延資産の範囲)第七条法第二条第一項第二十号(繰延資産の意義)に規定する政令で定める費用は、個人が支出する費用(資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除く。)のうち次に掲げるものとする。一開業費(不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。)二開発費(新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発又は市場の開拓のために特別に支出する費用をいう。)三前二号に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶものイ自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用ロ資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用ハ役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用ニ製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用ホイからニまでに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用2前項に規定する前払費用とは、個人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出する費用のうち、その支出する日の属する年の十二月三十一日(年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時)においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。 (繰延資産の償却費の計算)第百三十七条法第五十条第一項(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる繰延資産の区分に応じ当該各号に定める金額とする。一第七条第一項第一号又は第二号(繰延資産の範囲)に掲げる繰延資産その繰延資産の額を六十で除し、これにその年において不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務を行つていた期間の月数(その年がその繰延資産となる費用を支出した日の属する年である場合には、同日から当該業務を行つていた期間の末日までの期間の月数)を乗じて計算した金額(当該計算した金額が、その繰延資産の額のうち既にこの項の規定により不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入された金額以外の金額を超える場合には、当該金額。次号において同じ。)二第七条第一項第三号に掲げる繰延資産その繰延資産の額をその繰延資産となる費用の支出の効果の及ぶ期間の月数で除し、これに前号に規定する業務を行つていた期間の月数を乗じて計算した金額2前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。3居住者が、第一項第一号に掲げる繰延資産につきその年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額として、当該繰延資産の額の範囲内の金額をその年分の確定申告書に記載した場合には、同号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、当該金額として記載された金額とする。 (繰延資産となる費用のうち少額のものの必要経費算入)第百三十九条の二居住者が支出する第七条第一項第三号(繰延資産の範囲)に掲げる費用のうちその支出する金額が二十万円未満であるものについては、前款(繰延資産の償却)の規定にかかわらず、その支出する金額に相当する金額を、その者のその支出する日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する。 (繰延資産の範囲)第十四条法第二条第二十四号(繰延資産の意義)に規定する政令で定める費用は、法人が支出する費用(資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除く。)のうち次に掲げるものとする。一創立費(発起人に支払う報酬、設立登記のために支出する登録免許税その他法人の設立のために支出する費用で、当該法人の負担に帰すべきものをいう。)二開業費(法人の設立後事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。)三開発費(新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発又は市場の開拓のために特別に支出する費用をいう。)四株式交付費(株券等の印刷費、資本金の増加の登記についての登録免許税その他自己の株式(出資を含む。)の交付のために支出する費用をいう。)五社債等発行費(社債券等の印刷費その他債券(新株予約権を含む。)の発行のために支出する費用をいう。)六前各号に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶものイ自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用ロ資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用ハ役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用ニ製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用ホイからニまでに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用2前項に規定する前払費用とは、法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出する費用のうち、その支出する日の属する事業年度終了の日においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。 (繰延資産の償却限度額)第六十四条法第三十二条第一項(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる繰延資産の区分に応じ当該各号に定める金額とする。一第十四条第一項第一号から第五号まで(繰延資産の範囲)に掲げる繰延資産その繰延資産の額(既にした償却の額で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの(当該繰延資産が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人から引継ぎを受けたものである場合にあつては、これらの法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものを含む。)がある場合には、当該金額を控除した金額)二第十四条第一項第六号に掲げる繰延資産その繰延資産の額(当該繰延資産が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(以下この号及び第三項において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(以下この号及び第三項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては、当該被合併法人等における繰延資産の額)をその繰延資産となる費用の支出の効果の及ぶ期間の月数で除して計算した金額に当該事業年度の月数(当該事業年度がその繰延資産となる費用の支出をする日の属する事業年度である場合にあつては同日から当該事業年度終了の日までの期間の月数とし、適格組織再編成により被合併法人等から引継ぎを受けた日の属する事業年度である場合にあつては当該適格組織再編成の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数とする。)を乗じて計算した金額2前項第一号に掲げる繰延資産につき評価換え等(第四十八条第五項第三号(減価償却資産の償却の方法)に規定する評価換え等をいう。以下この項及び次項において同じ。)が行われたことによりその帳簿価額が減額された場合には、当該評価換え等が行われた事業年度後の各事業年度(当該評価換え等が期中評価換え等(同条第五項第四号に規定する期中評価換え等をいう。以下この項及び次項において同じ。)である場合には、当該期中評価換え等が行われた事業年度以後の各事業年度)における当該繰延資産に係る前項第一号に規定する損金の額に算入されたものには、当該帳簿価額が減額された金額を含むものとする。3第一項第二号に掲げる繰延資産につき評価換え等が行われたことによりその帳簿価額が増額され、又は減額された場合には、当該評価換え等が行われた事業年度後の各事業年度(当該評価換え等が期中評価換え等である場合には、当該期中評価換え等が行われた事業年度以後の各事業年度)における当該繰延資産に係る同号に規定する除して計算した金額は、当該評価換え等の直後の帳簿価額を同号に規定する支出の効果の及ぶ期間のうち当該評価換え等が行われた事業年度終了の日後の期間(当該評価換え等が期中評価換え等である場合には、当該期中評価換え等が行われた事業年度開始の日(当該事業年度がその繰延資産となる費用の支出をする日の属する事業年度である場合にあつては同日とし、適格組織再編成により被合併法人等から引継ぎを受けた日の属する事業年度である場合にあつては当該適格組織再編成の日とする。)以後の期間)の月数で除して計算した金額とする。4第一項及び前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。 (繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入)第百三十四条内国法人が、第六十四条第一項第二号(均等償却を行う繰延資産)に掲げる費用を支出する場合において、当該費用のうちその支出する金額が二十万円未満であるものにつき、その支出する日の属する事業年度において損金経理をしたときは、その損金経理をした金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。 (繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)第五十条居住者のその年十二月三十一日における繰延資産につきその償却費として第三十七条(必要経費)の規定によりその者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、その繰延資産に係る支出の効果の及ぶ期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とする。2前項に定めるもののほか、繰延資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。 (繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)第三十二条内国法人の各事業年度終了の時の繰延資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の所得の金額の計算の通則)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(以下この条において「損金経理額」という。)のうち、その繰延資産に係る支出の効果の及ぶ期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(次項において「償却限度額」という。)に達するまでの金額とする。2内国法人が、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(適格現物分配にあつては、残余財産の全部の分配を除く。以下この条において「適格分割等」という。)により分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人(以下この条において「分割承継法人等」という。)に繰延資産(当該適格分割等により当該分割承継法人等に移転する資産、負債又は契約(第四項において「資産等」という。)と関連を有するものに限る。)を引き継ぐ場合において、当該繰延資産について損金経理額に相当する金額を費用の額としたときは、当該費用の額とした金額(次項及び第六項において「期中損金経理額」という。)のうち、当該繰延資産につき当該適格分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に前項の規定により計算される償却限度額に相当する金額に達するまでの金額は、当該適格分割等の日の属する事業年度(第六項において「分割等事業年度」という。)の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。3前項の規定は、同項の内国法人が適格分割等の日以後二月以内に期中損金経理額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。4内国法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(以下この項において「適格組織再編成」という。)を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ当該各号に定める繰延資産は、当該適格組織再編成の直前の帳簿価額により当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人に引き継ぐものとする。一適格合併又は適格現物分配(残余財産の全部の分配に限る。)当該適格合併の直前又は当該適格現物分配に係る残余財産の確定の時の繰延資産二適格分割等次に掲げる繰延資産イ当該適格分割等により分割承継法人等に移転する資産等と密接な関連を有する繰延資産として政令で定めるものロ当該適格分割等により分割承継法人等に移転する資産等と関連を有する繰延資産のうち第二項の規定の適用を受けたもの(イに掲げるものを除く。)ハ当該適格分割等により分割承継法人等に移転する資産等と関連を有する繰延資産(イ及びロに掲げるものを除く。)5前項(第二号ハに係る部分に限る。)の規定は、同項の内国法人が適格分割等の日以後二月以内に同項の規定により分割承継法人等に引き継ぐものとされる同号ハに掲げる繰延資産の帳簿価額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。6損金経理額には、第一項の繰延資産につき同項の内国法人が償却費として損金経理をした事業年度(以下この項において「償却事業年度」という。)前の各事業年度における当該繰延資産に係る損金経理額(当該繰延資産が適格合併又は適格現物分配(残余財産の全部の分配に限る。)により被合併法人又は現物分配法人(以下この項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては当該被合併法人等の当該適格合併の日の前日又は当該残余財産の確定の日の属する事業年度以前の各事業年度の損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を、当該繰延資産が適格分割等により分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(以下この項において「分割法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては当該分割法人等の分割等事業年度の期中損金経理額として帳簿に記載した金額及び分割等事業年度前の各事業年度の損金経理額のうち分割等事業年度以前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含む。以下この項において同じ。)のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとし、期中損金経理額には、第二項の内国法人の分割等事業年度前の各事業年度における同項の繰延資産に係る損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとする。7前項の場合において、内国法人の繰延資産(適格合併により被合併法人から引継ぎを受けた繰延資産、第六十二条の九第一項(非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益)の規定の適用を受けた同項に規定する時価評価資産に該当する繰延資産その他の政令で定める繰延資産に限る。)につきその価額として帳簿に記載されていた金額として政令で定める金額が当該引継ぎの直前に当該被合併法人の帳簿に記載されていた金額、同条第一項の規定の適用を受けた直後の帳簿価額その他の政令で定める金額に満たない場合には、当該満たない部分の金額は、政令で定める事業年度前の各事業年度の損金経理額とみなす。8前各項に定めるもののほか、繰延資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。

繰延資産は、支出した費用のうち、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもので、政令で定めるものである(所得税法第2条第1項第20号・法人税法第2条第24号)。支出した年に全額を経費にせず、決められた計算で何年かに分けて償却する(所得税法第50条第1項・法人税法第32条第1項)。

個人と法人で、繰延資産の種類が違う

種類個人法人
創立費無い法人税法施行令第14条第1項第1号
開業費所得税法施行令第7条第1項第1号法人税法施行令第14条第1項第2号
開発費所得税法施行令第7条第1項第2号法人税法施行令第14条第1項第3号
株式交付費・社債等発行費無い法人税法施行令第14条第1項第4号・第5号
その他(権利金・公共的施設の負担金など)所得税法施行令第7条第1項第3号法人税法施行令第14条第1項第6号

創立費は法人の繰延資産にしか無い。法人の設立のために支出する費用で、その法人の負担に帰すべきものをいう(法人税法施行令第14条第1項第1号)。個人の繰延資産は、開業費・開発費と第3号の費用だけである(所得税法施行令第7条第1項)。

開業費の定義も、個人と法人で違う。個人は「事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用」(所得税法施行令第7条第1項第1号)、法人は「法人の設立後事業を開始するまでの間」の費用である(法人税法施行令第14条第1項第2号)。法人の設立前の費用は、開業費ではなく創立費の側に入る(同項第1号)。

個人の償却は60か月の均等。任意にできるのは開業費だけ

個人の開業費と開発費は、繰延資産の額を60で割り、その年に業務を行っていた月数を掛ける(所得税法施行令第137条第1項第1号)。支出した年は、支出した日からの月数で数える(同号かっこ書き)。

開業費だけは、繰延資産の額の範囲内で、確定申告書に書いた額にできる(所得税法施行令第137条第3項)。第3項が挙げているのは「第一項第一号に掲げる繰延資産」のうち開業費だけで、開発費は入っていない。個人の開発費は60か月の均等である。

個人1年に入れられる額条番号
開業費60か月の均等、または額の範囲内で申告書に書いた額所得税法施行令第137条第1項第1号・第3項
開発費60か月の均等所得税法施行令第137条第1項第1号
その他額 ÷ 支出の効果の及ぶ月数 × 月数所得税法施行令第137条第1項第2号

法人は創立費・開業費・開発費とも任意

法人の第1号から第5号まで(創立費・開業費・開発費・株式交付費・社債等発行費)の償却限度額は、まだ償却していない額そのものである(法人税法施行令第64条第1項第1号)。どの事業年度に、いくら償却してもよい。

ただし、損金に入るのは損金経理をした額のうち、償却限度額までである(法人税法第32条第1項)。帳簿で償却費として計上しなければ、損金にならない。

その他の繰延資産(第6号)は、個人と同じく、額を支出の効果の及ぶ月数で割り、その事業年度の月数を掛ける(法人税法施行令第64条第1項第2号)。

月数は暦で数え、端数は1か月にする

月数は暦に従って数え、1か月に満たない端数は1か月とする(所得税法施行令第137条第2項・法人税法施行令第64条第4項)。たとえば個人が5月20日に店の権利金を払って、その年の12月まで業務を行っていたなら、5月20日から12月31日までで8か月になる。

20万円未満のその他の費用は、支出した年に全額

その他の繰延資産で、支出した額が20万円未満のものは、償却しない。個人は支出した年に全額を必要経費に入れる(所得税法施行令第139条の2)。法人は、支出した事業年度に損金経理をすれば、その額が損金になる(法人税法施行令第134条)。

この20万円は、開業費・開発費・創立費には当たらない。所得税法施行令第139条の2は所得税法施行令第7条第1項第3号の費用だけを、法人税法施行令第134条は法人税法施行令第64条第1項第2号の費用だけを挙げている。開業費が20万円未満でも、個人は第137条の計算による。

支出の効果の及ぶ期間は、法令に年数が無い

その他の繰延資産を何か月で割るかは、「その繰延資産となる費用の支出の効果の及ぶ期間」による(所得税法施行令第137条第1項第2号・法人税法施行令第64条第1項第2号)。何年かは条文に書かれていない。国税庁の通達が費用ごとの目安を示しているので、この道具では入れてもらう形にしている。通達は法令ではないので、この道具は年数に条番号を付けない。

減価償却とどこが違うか

減価償却資産は、耐用年数省令の別表で耐用年数が決まり、その年数に応じた償却率を掛ける(減価償却資産の耐用年数等に関する省令第1条第1項・第5条第1項)。繰延資産には、償却率の表が無い。60か月、または支出の効果の及ぶ月数で割る(所得税法施行令第137条第1項)。

建物や機械の減価償却は減価償却費の計算、耐用年数ごとの償却率は償却率表にある。取得価額が10万円未満・20万円未満の資産の扱いは取得価額いくらから減価償却が必要かに並べている(所得税法施行令第138条・第139条)。

関連する計算

同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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