所得控除は、所得の金額から差し引いて、税率を掛ける前の額を小さくするものである(所得税法第87条第2項)。法律で定められた所得控除は、所得税法の第72条から第86条までに16種類ある。
16種類の所得控除と、計算するページ
| 条 | 所得控除 | 計算するページ |
|---|---|---|
| 所得税法第72条 | 雑損控除 | 雑損控除 |
| 所得税法第73条 | 医療費控除 | 医療費控除 |
| 所得税法第74条 | 社会保険料控除 | 全額が控除される保険料と掛金 |
| 所得税法第75条 | 小規模企業共済等掛金控除 | 全額が控除される保険料と掛金 |
| 所得税法第76条 | 生命保険料控除 | 生命保険料控除 |
| 所得税法第77条 | 地震保険料控除 | 地震保険料控除 |
| 所得税法第78条 | 寄附金控除 | 寄附金控除 |
| 所得税法第79条 | 障害者控除 | 障害者控除 |
| 所得税法第80条 | 寡婦控除 | 寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除 |
| 所得税法第81条 | ひとり親控除 | 寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除 |
| 所得税法第82条 | 勤労学生控除 | 寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除 |
| 所得税法第83条 | 配偶者控除 | 配偶者控除 |
| 所得税法第83条の2 | 配偶者特別控除 | 配偶者特別控除 |
| 所得税法第84条 | 扶養控除 | 扶養控除 |
| 所得税法第84条の2 | 特定親族特別控除 | 特定親族特別控除 |
| 所得税法第86条 | 基礎控除 | 基礎控除 |
この一覧は書き写していない。ページを組み立てるときに、所得税法第72条から第86条までの見出しを条文から読み、けんざんの計算ページと条番号で結んでいる。第85条は控除ではなく、判定の時期を定めた条なので入れていない。
引く順序は第87条にある
雑損控除を最初に引く(所得税法第87条第1項)。災害や盗難の損失が大きく、その年の所得から引ききれないときは、残りを翌年以後に繰り越せる(所得税法第71条第1項)。
引く相手の順序も決まっている。総所得金額、山林所得金額、退職所得金額の順に引く(所得税法第87条第2項)。
判定はその年の12月31日で行う
障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に当たるかは、その年12月31日の現況で判定する(所得税法第85条第1項)。配偶者や扶養親族に当たるかも、同じ日の現況で判定する(同条第3項)。年の途中で結婚や出産があっても、12月31日の状態で見る。
所得税法の外にある特例
医療費控除には、租税特別措置法に特例がある。特定一般用医薬品等の購入費を、医療費控除に代えて差し引ける(租税特別措置法第41条の17)。セルフメディケーション税制で計算できる。
基礎控除・生命保険料控除などの額も、租税特別措置法が読み替えている年がある。令和7年分・令和8年分の基礎控除の加算(租税特別措置法第41条の16の2第1項)、令和8年分・令和9年分の23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除(租税特別措置法第41条の15の5第1項)がその例である。それぞれの計算ページは、この読み替えを入れて計算している。
所得控除と税額控除は別のもの
税額控除は、税率を掛けたあとの税額から差し引く。所得控除とは引く場所が違う。
| 税額控除 | 条番号 |
|---|---|
| 配当控除 | 所得税法第92条第1項 |
| 外国税額控除 | 所得税法第95条第1項 |
| 住宅借入金等特別控除 | 租税特別措置法第41条 |
所得控除を引いたあとの課税総所得金額に税率を掛ける計算は、所得税の税率にある(所得税法第89条第1項)。
このページが扱っていないこと
このページは一覧である。控除を受けられるかの判定と額の計算は、表から各ページへ進んでほしい。住民税の所得控除は地方税法にあり、額が所得税と違うものがある(地方税法第34条第1項・第314条の2第1項)。