けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

配偶者特別控除の計算

配偶者特別控除とは、控除対象配偶者に当たらない生計を一にする配偶者がいる場合に、本人と配偶者それぞれの合計所得金額の区分に応じた額を所得から差し引く所得控除である(所得税法第83条の2第1項)。

表を写すのではなく、条文の算式そのままで計算します。国税庁の表と全域で一致することを確かめてあります。

計算する

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

あなたの合計所得金額 5,000,000円/配偶者の合計所得金額 1,000,000円

項目金額条番号
配偶者特別控除360,000円所得税法第83条の2第1項第1号ロ
条番号
所得税法第83条の2第1項
適用
所得税法第83条の2第1項。配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下で、本人が1,000万円以下
出どころ
所得税法(昭和四十年法律第三十三号)
適用年度
所得税法 2026-08-12 施行(改正版 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064)
取得日
2026-08-31

この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。所得税法 で今の条文を確かめられます。

確かめ方 公表表と千円きざみで2,250点(3つの強さの違い

条文

所得税法(2026-08-12 施行)から取りました。1210字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(比べ方)。

所得税法第83条の2第1項 を開く

(配偶者特別控除)第八十三条の二居住者が生計を一にする配偶者(第二条第一項第三十三号(定義)に規定する青色事業専従者等を除くものとし、合計所得金額が百三十三万円以下であるものに限る。)で控除対象配偶者に該当しないもの(合計所得金額が千万円以下である当該居住者の配偶者に限る。)を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。一その居住者の合計所得金額が九百万円以下である場合その居住者の配偶者の次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める金額イ合計所得金額が九十五万円以下である配偶者三十八万円ロ合計所得金額が九十五万円を超え百三十万円以下である配偶者三十八万円からその配偶者の合計所得金額のうち九十三万一円を超える部分の金額(当該超える部分の金額が五万円の整数倍の金額から三万円を控除した金額でないときは、五万円の整数倍の金額から三万円を控除した金額で当該超える部分の金額に満たないもののうち最も多い金額とする。)を控除した金額ハ合計所得金額が百三十万円を超える配偶者三万円二その居住者の合計所得金額が九百万円を超え九百五十万円以下である場合その居住者の配偶者の前号イからハまでに掲げる区分に応じそれぞれ同号イからハまでに定める金額の三分の二に相当する金額(当該金額に一万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)三その居住者の合計所得金額が九百五十万円を超え千万円以下である場合その居住者の配偶者の第一号イからハまでに掲げる区分に応じそれぞれ同号イからハまでに定める金額の三分の一に相当する金額(当該金額に一万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)2前項の規定は、同項に規定する生計を一にする配偶者が、次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。一当該配偶者が前項に規定する居住者として同項の規定の適用を受けている場合二当該配偶者が、給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として第百八十五条第一項第一号若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)又は第百八十六条第一項第一号若しくは第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該配偶者が、その年分の所得税につき、第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けた者である場合又は確定申告書の提出をし、若しくは決定を受けた者である場合を除く。)三当該配偶者が、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として第二百三条の三第一号から第三号まで(徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該配偶者がその年分の所得税につき確定申告書の提出をし、又は決定を受けた者である場合を除く。)3第一項の規定による控除は、配偶者特別控除という。

配偶者特別控除は、生計を一にする配偶者で合計所得金額が133万円以下であり、控除対象配偶者に当たらない者がいる場合に、本人の総所得金額などから一定額を引く制度である(所得税法第83条の2第1項)。本人の合計所得金額が1,000万円以下であることも要件である(同項)。

条文は表ではなく算式で書かれている

所得税法第83条の2第1項は表を持っていない。第1号イ・ロ・ハの3つの場合分けと、そこからの計算方法が書かれているだけである。

配偶者の合計所得金額条文の定め条番号
95万円以下38万円所得税法第83条の2第1項第1号イ
95万円超 130万円以下38万円から、93万1円を超える部分の金額を引く同号ロ
130万円超3万円同号ハ

第1号ロの「93万1円を超える部分の金額」には、さらに条件が付いている。その金額が5万円の整数倍から3万円を引いた金額でないときは、5万円の整数倍から3万円を引いた金額のうち、その金額に満たない最も大きいものを使う(所得税法第83条の2第1項第1号ロ)。

「5万円の整数倍から3万円を引いた金額」は、2万円・7万円・12万円と5万円ずつ増える(所得税法第83条の2第1項第1号ロ)。この階段が、公表されている表の5万円きざみの正体である。

本人の所得が900万円を超えたとき

本人の合計所得金額が900万円を超え950万円以下の場合は、第1号イからハまでの金額の3分の2に相当する金額とし、1万円未満の端数は切り上げる(所得税法第83条の2第1項第2号)。950万円を超え1,000万円以下の場合は3分の1で、同じく1万円未満を切り上げる(同項第3号)。

たとえば38万円の3分の2は253,333円だが、1万円未満を切り上げて26万円になる(所得税法第83条の2第1項第2号)。公表されている表の26万円はこうして出る。

表と算式が一致することを確かめた

このページは表を写さず、上の算式そのままで計算している。国税庁が公表している表(タックスアンサー No.1195 配偶者特別控除)と突き合わせた。配偶者の合計所得金額58万1円から133万円まで千円きざみ、本人の所得3区分すべてで、2,250点すべてが一致した(検算の方法)。

配偶者控除との境目

配偶者の合計所得金額が58万円以下のときは、配偶者特別控除ではなく配偶者控除の対象である(所得税法第2条第1項第33号・第83条第1項)。133万円を超えるとどちらの対象にもならない(所得税法第83条の2第1項)。

適用の条件は4つある

所得税法第83条の2第1項の柱書は、括弧の中で条件を重ねている。4つとも満たさないと使えない。

条件条番号
生計を一にする配偶者であること所得税法第83条の2第1項
配偶者が青色事業専従者等でないこと同項かっこ書き(所得税法第2条第1項第33号)
配偶者の合計所得金額が133万円以下であること同項かっこ書き
配偶者が控除対象配偶者に該当しないこと(=合計所得金額が58万円を超える)同項
本人の合計所得金額が1,000万円以下であること同項かっこ書き

「控除対象配偶者に該当しないもの」と書かれているので、配偶者控除と同時には使えない(所得税法第83条の2第1項)。配偶者の合計所得金額が58万円以下なら配偶者控除(所得税法第2条第1項第33号)、超えて133万円以下ならこちらである(所得税法第83条の2第1項)。

逓減の算式を、表に書き写していない

第1号ロが、38万円から減っていく額を1つの式で書いている(所得税法第83条の2第1項第1号ロ)。

三十八万円からその配偶者の合計所得金額のうち九十三万一円を超える部分の金額(当該超える部分の金額が五万円の整数倍の金額から三万円を控除した金額でないときは、五万円の整数倍の金額から三万円を控除した金額で当該超える部分の金額に満たないもののうち最も多い金額とする。)を控除した金額

この道具は、この算式をそのまま計算している。 表を書き写していないので、写し間違いが起きない。

かっこ書きが言っているのは、引く額を「5万円の倍数 − 3万円」の刻みに丸めるということである(所得税法第83条の2第1項第1号ロかっこ書き)。2万円・7万円・12万円…という並びになる。93万1円という半端な起点は、この刻みと組み合わせて段を作るためにある(同号ロ)。

本人の所得で3分の2、3分の1になる

本人の合計所得金額条番号
900万円以下第1号イ〜ハの額所得税法第83条の2第1項第1号
900万円超 950万円以下第1号の額の3分の2(1万円未満切上げ)同項第2号
950万円超 1,000万円以下第1号の額の3分の1(1万円未満切上げ)同項第3号

端数は切り上げである。 第2号・第3号が「当該金額に一万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額」と書いている。切り捨てではない。

配偶者の所得が130万円を超えると3万円で止まる

第1号ハは「合計所得金額が百三十万円を超える配偶者 三万円」と書いている(所得税法第83条の2第1項第1号ハ)。

130万円超133万円以下は一律3万円である(所得税法第83条の2第1項第1号ハ)。逓減はそこで終わる。133万円を超えると柱書のかっこ書きから外れて、控除そのものが無くなる(同項柱書)。

使えなくなる場合が3つある

第2項が3つの号で定めている(所得税法第83条の2第2項)。

どんな場合
第1号配偶者の側が、本人を配偶者特別控除の対象にしている場合
第2号配偶者が、扶養控除等申告書に源泉控除対象配偶者を記載した居住者として源泉徴収を受けている場合
第3号配偶者が、公的年金等の扶養親族等申告書で同じ扱いを受けている場合

第1号は「夫婦がお互いを対象にすること」を防いでいる。 第2号・第3号は、月々の源泉徴収の側で既に反映されている場合を除いている。この道具は第2項の判定をしていない。

住民税の配偶者特別控除は額が違う

住民税の側は地方税法第314条の2第1項第10号の2にある。 配偶者の合計所得金額の上限133万円は同じだが、額の並びは所得税と違う。市町村民税は同号、道府県民税は同法第34条第1項第10号の2である。

よくある取り違え

1. 「配偶者控除と両方使える」

使えない。 第1項が「控除対象配偶者に該当しないもの」を対象にしている(所得税法第83条の2第1項)。

2. 「配偶者の所得が150万円までは38万円」

38万円が満額なのは合計所得金額95万円以下である(所得税法第83条の2第1項第1号イ)。150万円という数字は給与収入の話で、条文には出てこない。

3. 「端数は切り捨て」

切り上げである(所得税法第83条の2第1項第2号・第3号)。

4. 「逓減は1円刻み」

5万円の倍数から3万円を引いた刻みで丸める(所得税法第83条の2第1項第1号ロかっこ書き)。1円ごとには動かない。

5. 「夫婦の両方が使える」

一方が使っていれば他方は使えない(所得税法第83条の2第2項第1号)。

よくある質問

133万円を1円超えたらどうなりますか

控除は無くなる。 第1項の柱書が「合計所得金額が百三十三万円以下であるものに限る」と書いている(所得税法第83条の2第1項)。

93万1円という数字は何ですか

逓減の起点である(所得税法第83条の2第1項第1号ロ)。この額を超える部分を38万円から引く。半端な数字なのは、刻みの丸めと組み合わせて段を作るためである。

本人の所得が1,000万円を超えたら

使えない。 第1項のかっこ書きが「合計所得金額が千万円以下である当該居住者の配偶者に限る」と書いている(所得税法第83条の2第1項)。

配偶者が青色事業専従者の場合は

除かれる(所得税法第83条の2第1項かっこ書き・同法第2条第1項第33号)。

扶養控除と重ねられますか

配偶者は扶養親族から除かれている(所得税法第2条第1項第34号)。同じ人について両方を引くことはない。扶養控除を参照。

年末調整で処理されますか

第2項第2号・第3号が源泉徴収との関係を書いている(所得税法第83条の2第2項)。手続そのものは同法第190条にある。

所得税の計算のどこに入るか

配偶者特別控除は所得控除である。所得税法第21条第1項第3号の段で、税率を当てる前の所得から引く。

所得控除どうしの順序は、雑損控除だけが先と決まっている所得税法第87条第1項)。同項は配偶者特別控除を名指しで挙げている。

判定の時期

配偶者特別控除の適用の判定は、その年12月31日の現況による所得税法第85条第3項)。

年の途中で死亡した場合は、その時の現況による(同項かっこ書き)。

この計算が扱っていないこと

  • 第2項の3つの適用除外(所得税法第83条の2第2項)
  • 住民税の配偶者特別控除(地方税法第314条の2第1項第10号の2)
  • 配偶者の合計所得金額の計算そのもの

関連する計算

同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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