誰が受けられるか
障害認定日において障害等級に該当する障害の状態にあるとき、その障害基礎年金を支給する(国民年金法第30条第1項)。
支給の要件は、初診日において次のいずれかに当たることである(国民年金法第30条第1項各号)。
| 号 | 初診日において | 条番号 |
|---|---|---|
| 第1号 | 被保険者であること | 国民年金法第30条第1項第1号 |
| 第2号 | 被保険者であった者で、日本国内に住所を有し、60歳以上65歳未満であること | 同項第2号 |
ただし書に保険料納付の要件がある。 初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2に満たないときは支給しない(国民年金法第30条第1項ただし書)。
障害認定日という基準
障害認定日は、初診日から起算して1年6か月を経過した日、またはその期間内に傷病が治った日である(国民年金法第30条第1項かっこ書き)。
初診日ではない(国民年金法第30条第1項かっこ書き)。1年6か月の経過を待つ(同項)。
事後重症という別の道がある
障害認定日に障害等級に該当しなかった者が、その後65歳に達する日の前日までに該当するに至ったときは、請求により支給する(国民年金法第30条の2第1項)。
請求が要る。 障害認定日による障害基礎年金(第30条)は請求を要件にしていないが、事後重症は「その期間内に……請求をしたときは」と書いている(同条第2項)。
この道具は額の計算だけを扱っている。
20歳前傷病は、支給要件も支給停止も別
20歳前に初診日がある傷病による障害については、国民年金法第30条の4に定めがある。
保険料の納付要件が無い代わりに、所得による支給停止がある(国民年金法第36条の3第1項)。
この道具は支給停止を計算していない。
障害基礎年金の等級は2つ
障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とする(国民年金法第30条第2項)。
各級の障害の状態は政令で定める(同項)。
78万900円に改定率を掛ける
障害基礎年金の額は、78万900円に改定率を乗じて得た額である(国民年金法第33条第1項)。
改定率そのものは条文に書かれていない。 毎年度の改定によって決まる(国民年金法第27条の2以下)。この計算では利用者に入れてもらっている。
1級は2級の額の100分の125
| 等級 | 額 | 条番号 |
|---|---|---|
| 2級 | 78万900円 × 改定率 | 国民年金法第33条第1項 |
| 1級 | 2級の額の100分の125 | 国民年金法第33条第2項 |
条文は「1.25倍」ではなく「100分の125」と書いている(国民年金法第33条第2項)。
子の加算は2段になっている
子1人につき7万4,900円に改定率を乗じた額を加算する。ただしそのうち2人までについては、それぞれ22万4,700円に改定率を乗じた額とする(国民年金法第33条の2第1項)。
| 子 | 単価 | 条番号 |
|---|---|---|
| 1人目・2人目 | 22万4,700円 × 改定率 | 国民年金法第33条の2第1項かっこ書き |
| 3人目から | 7万4,900円 × 改定率 | 国民年金法第33条の2第1項 |
本則が7万4,900円で、かっこ書きが2人までの22万4,700円である。 遺族基礎年金(国民年金法第39条第1項)も同じ書き方をしている。
子の要件
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子と、20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子である(国民年金法第33条の2第1項)。
遺族基礎年金の子の要件と同じ形だが、条は別である(国民年金法第37条の2第1項第2号)。遺族基礎年金を参照。
子の加算は、後から子ができたときも増える
| 場合 | 効果 | 条番号 |
|---|---|---|
| 受給権を取得した当時に子がいる | 加算する | 国民年金法第33条の2第1項 |
| 受給権取得後に子を有するに至った | その翌月から額を改定する | 同条第2項 |
| 子が要件に該当しなくなった | 額を改定する | 同条第3項 |
子の状況が変われば額が動く。 受給権を取得した時点で固定されない。
1級と2級で、子の加算は変わらない
第33条の2第1項は「前条の規定にかかわらず、同条に定める額に……加算した額とする」と書いている(国民年金法第33条の2第1項)。
「前条に定める額」には第33条第2項の1級の額も含まれる。 1級なら本人分が125%になり、そこに同じ単価の子の加算が乗る。
端数は50円と100円で決まる
50円未満の端数が生じたときは切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは100円に切り上げる(国民年金法第33条第1項かっこ書き)。
丸めるのは満額と加算のそれぞれである。 合計してから丸めると額が変わる。
支給の始期と支払期月
年金は、支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から支給する(国民年金法第18条第1項)。
支払期月は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期である(同条第3項)。各期に、その前月までの分を支払う。
併給の調整
同一人に2つ以上の年金給付の受給権が生じたときは、その者の選択により、その1つを支給し、他は支給を停止する(国民年金法第20条第1項)。
老齢基礎年金と障害基礎年金は同時には受けられない。
保険料の追納
保険料免除期間について追納があれば、保険料納付済期間になる(国民年金法第94条第4項)。
初診日の前日における3分の2の判定にも効く(国民年金法第30条第1項ただし書)。
障害厚生年金との関係
厚生年金保険の被保険者であった間に初診日がある場合、障害厚生年金が併せて支給される(厚生年金保険法第47条第1項。額は同法第50条)。
障害厚生年金には3級がある。 障害基礎年金は1級と2級だけである(国民年金法第30条第2項)。3級は厚生年金だけの等級である(厚生年金保険法第47条第2項)。
課税されない
租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない(国民年金法第25条)。老齢基礎年金と付加年金だけが除かれている(同条ただし書)。
障害基礎年金は非課税である。公的年金等控除の対象にもならない。
医療費控除の「補てんされる部分」にも当たらない。 所得税法第73条第1項かっこ書きが挙げているのは保険金・損害賠償金その他これらに類するものである。
よくある取り違え
1. 「初診日から支給される」
障害認定日である(国民年金法第30条第1項)。初診日から1年6か月を経過した日、または治った日である。
2. 「1級は2級の1.5倍」
100分の125である(国民年金法第33条第2項)。
3. 「3級もある」
障害基礎年金は1級と2級だけである(国民年金法第30条第2項)。3級は障害厚生年金にある(厚生年金保険法第47条第2項)。
4. 「子の加算は1級だと増える」
変わらない(国民年金法第33条の2第1項)。等級で変わるのは本人分だけである。
5. 「受給権を取得した後に生まれた子は加算されない」
加算される(国民年金法第33条の2第2項)。
6. 「障害基礎年金にも所得税がかかる」
かからない(国民年金法第25条)。
7. 「20歳前傷病でも所得に関係なく受けられる」
所得による支給停止がある(国民年金法第36条の3)。
よくある質問
保険料の納付要件は
初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上であること(国民年金法第30条第1項ただし書)。
障害等級はどこで決まりますか
国民年金法別表にある。 第30条第2項が「障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから一級及び二級とし、各級の障害の状態は、政令で定める」と書いている。
改定率はどこにありますか
条文に書かれていない。 毎年度改定される(国民年金法第27条の2以下)。
事後重症の場合は
国民年金法第30条の2に定めがある。 この道具は額の計算だけを扱っている。
障害が軽くなったら
国民年金法第34条に額の改定の定めがある。
子が18歳を過ぎたら
国民年金法第33条の2第1項の要件から外れる。 額の改定は同条第3項以下にある。
20歳前傷病でも同じ額ですか
額は同じである(国民年金法第33条)。所得による支給停止がある点が違う(同法第36条の3)。
障害厚生年金と両方受けられますか
障害厚生年金は厚生年金保険法第47条以下にある。 この道具は国民年金法の側だけを扱っている。
老齢基礎年金と両方受けられますか
併給の調整は国民年金法第20条にある。
この計算が扱っていないこと
- 支給要件の判定(国民年金法第30条・第30条の2・第30条の4)
- 障害等級の判定(国民年金法別表と政令)
- 子の要件の判定(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子等)
- 20歳前傷病による所得での支給停止(国民年金法第36条の3)
- 額の改定(国民年金法第34条)
- 障害厚生年金(厚生年金保険法第47条以下。額は同法第50条)
遺族基礎年金は遺族基礎年金にある。老齢基礎年金は国民年金の保険料と老齢基礎年金にある。数字をどう確かめたかは検算の方法にある。