けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

高年齢雇用継続基本給付金の計算

高年齢雇用継続基本給付金とは、決められた年齢に達した被保険者の賃金が以前と比べて下がった場合に、支給対象月に支払われた賃金の額に応じて支給される雇用保険の給付である(雇用保険法第61条第1項・第5項)。

賃金が64%未満なら10%です。64%以上のときの率は条文になく、厚生労働省令に委ねられています(雇用保険法第61条第5項)。

計算する

60歳到達時などの賃金日額に相当する額(雇用保険法第61条第1項)
みなし賃金日額 × 30 の75%を下ると支給される(雇用保険法第61条第1項)
×0.1%4.5%なら 45 と入れる。率は条文に無く厚生労働省令による(雇用保険法第61条第5項第2号)

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

みなし賃金日額 10,000円/支給対象月に支払われた賃金 180,000円/64%以上のときの逓減する率 45×0.1%

項目金額条番号
みなし賃金日額 × 30300,000円雇用保険法第61条第1項
賃金の割合(60.0%)に当たる段180,000円雇用保険法第61条第5項第1号
高年齢雇用継続基本給付金(10.0%)18,000円雇用保険法第61条第5項第1号(賃金 180,000円 × 10.0%)
  • みなし賃金日額に30を乗じて得た額の75%を下るに至った場合に支給する(雇用保険法第61条第1項)
  • 賃金が64%未満なので10%である(雇用保険法第61条第5項第1号)
  • 支給限度額(雇用保険法第61条第5項ただし書)は毎年度の告示で変わる。扱っていない
  • 高年齢再就職給付金(雇用保険法第61条の2)は出していない
条番号
雇用保険法第61条第1項・第5項
適用
雇用保険法第61条第1項。60歳以上65歳未満の被保険者
出どころ
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)
適用年度
雇用保険法 2026-05-13 施行(改正版 349AC0000000116_20260513_507AC0000000032)
取得日
2026-08-31

この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。雇用保険法 で今の条文を確かめられます。

確かめ方 75%の線と64%の段の分かれ目を301点で照合(3つの強さの違い

どこまでを計算しているか

高年齢雇用継続基本給付金だけを扱っている。賃金が64%以上のときの率は条文に無い。雇用保険法第61条第5項第2号が「百分の十から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める率」としているためである。この道具は、その場合の率を利用者に入れてもらう。支給限度額(同項ただし書)は毎年度の告示で変わるので扱っていない。みなし賃金日額そのものも計算していない。

条文

雇用保険法(2026-05-13 施行)から取りました。1809字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点から変わっています。 文字が変わったことだけを確かめています。答えが変わるかは別です(何が変わったか)。

雇用保険法第61条第1項・第5項 を開く

(高年齢雇用継続基本給付金)第六十一条高年齢雇用継続基本給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この款において同じ。)に対して支給対象月(当該被保険者が第一号に該当しなくなつたときは、同号に該当しなくなつた日の属する支給対象月以後の支給対象月)に支払われた賃金の額(支給対象月において非行、疾病その他の厚生労働省令で定める理由により支払を受けることができなかつた賃金がある場合には、その支払を受けたものとみなして算定した賃金の額。以下この項、第四項及び第五項各号(次条第三項において準用する場合を含む。)並びに同条第一項において同じ。)が、当該被保険者を受給資格者と、当該被保険者が六十歳に達した日(当該被保険者が第一号に該当しなくなつたときは、同号に該当しなくなつた日)を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条(第三項を除く。)の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(以下この条において「みなし賃金日額」という。)に三十を乗じて得た額の百分の七十五に相当する額を下るに至つた場合に、当該支給対象月について支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。一当該被保険者を受給資格者と、当該被保険者が六十歳に達した日又は当該支給対象月においてその日に応当する日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。)を第二十条第一項第一号に規定する基準日とみなして第二十二条第三項及び第四項の規定を適用した場合に算定されることとなる期間に相当する期間が、五年に満たないとき。二当該支給対象月に支払われた賃金の額が、三十五万六千四百円(その額が第七項の規定により変更されたときは、その変更された額。以下この款において「支給限度額」という。)以上であるとき。2この条において「支給対象月」とは、被保険者が六十歳に達した日の属する月から六十五歳に達する日の属する月までの期間内にある月(その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり、かつ、介護休業給付金又は育児休業給付金、出生時育児休業給付金若しくは出生後休業支援給付金の支給を受けることができる休業及び教育訓練休暇給付金の支給を受けることができる休暇の取得をしなかつた月に限る。)をいう。3第一項の規定によりみなし賃金日額を算定する場合における第十七条第四項の規定の適用については、同項中「前三項の規定」とあるのは、「第一項及び第二項の規定」とする。4第一項の規定によりみなし賃金日額を算定することができないとき若しくは困難であるとき、又は同項の規定により算定したみなし賃金日額を用いて同項の規定を適用することが適当でないと認められるときは、厚生労働大臣が定めるところにより算定した額をみなし賃金日額とする。この場合において、第十七条第四項の規定は、この項の規定により算定したみなし賃金日額について準用する。5高年齢雇用継続基本給付金の額は、一支給対象月について、次の各号に掲げる区分に応じ、当該支給対象月に支払われた賃金の額に当該各号に定める率を乗じて得た額とする。ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額とする。一当該賃金の額が、みなし賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の六十四に相当する額未満であるとき 百分の十二前号に該当しないとき みなし賃金日額に三十を乗じて得た額に対する当該賃金の額の割合が逓増する程度に応じ、百分の十から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める率6第一項及び前項の規定にかかわらず、同項の規定により支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が第十七条第四項第一号に掲げる額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額)の百分の八十に相当する額を超えないときは、当該支給対象月については、高年齢雇用継続基本給付金は、支給しない。7厚生労働大臣は、年度の平均給与額が平成二十七年四月一日から始まる年度(この項の規定により支給限度額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年度の八月一日以後の支給限度額を変更しなければならない。

60歳以上65歳未満の被保険者の賃金が下がったとき、高年齢雇用継続基本給付金が支給される(雇用保険法第61条第1項)。

支給の線は75%

みなし賃金日額に30を乗じて得た額の75%を下るに至った場合に、当該支給対象月について支給する(雇用保険法第61条第1項)。

「下るに至つた場合」である。 75%ちょうどでは支給されない(雇用保険法第61条第1項)。賃金が下がったことが要件である。

30を乗じるのは、日額を月額に直すためである(雇用保険法第61条第1項)。みなし賃金日額に30を掛けた額が、賃金と比べる基準になる(同項)。

支給対象月は60歳から65歳まで

支給対象月は、被保険者が60歳に達した日の属する月から65歳に達する日の属する月までの期間内にある月である(雇用保険法第61条第2項)。

65歳に達した月で終わる。

みなし賃金日額

みなし賃金日額は、60歳に達した日を離職の日とみなして計算した賃金日額である(雇用保険法第61条第1項)。

条文は「受給資格に係る離職の日とみなして第十七条(第三項を除く。)の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額」と定義している(雇用保険法第61条第1項)。

賃金日額の計算は同法第17条による。 被保険者期間として計算された最後の6か月に支払われた賃金の総額を180で除して得た額である。

率は条文に1つしか無い

第5項が2つの号に分かれている(雇用保険法第61条第5項)。

どんな場合条番号
第1号賃金が64%未満のとき100分の10雇用保険法第61条第5項第1号
第2号賃金が64%以上75%未満のとき10%から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める率同項第2号

第1号の10%だけが条文にある(雇用保険法第61条第5項第1号)。第2号の率は厚生労働省令にある(同項第2号)。「64%以上75%未満なら逓減する」ということまでは同号が書いているが、具体的な率は書いていない。

この道具は、条文にある10%の側だけを出す(雇用保険法第61条第5項第1号)。同項第2号に当たる場合は率を出さない。書けない数値を出さないためである。

支給限度額は2か所に出てくる

どこ何を定めているか条番号
第1項第2号賃金が支給限度額以上であるときは支給しない雇用保険法第61条第1項第2号
第5項ただし書給付金に賃金を加えた額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から賃金を減じた額とする雇用保険法第61条第5項ただし書

支給限度額そのものは第1項第2号に金額で書かれている。 ただし厚生労働大臣が毎年度変更する(雇用保険法第61条第7項)。

第6項は別の不支給の定めである。 賃金として算定された額が第17条第4項第1号に掲げる額の100分の80に相当する額を超えないときは支給しない(雇用保険法第61条第6項)。限度額の調整とは別の条項である。

この道具は限度額を計算していない。

在職老齢年金との調整

高年齢雇用継続給付を受けると、老齢厚生年金の側で支給停止がある(厚生年金保険法附則第11条の6)。

この道具は年金側の調整を扱っていない。在職老齢年金の支給停止額を参照。

失業等給付の1つなので、課税されない

雇用保険法第12条は「租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない」と書いている。

高年齢雇用継続給付は失業等給付の1つである雇用保険法第10条第1項)。したがって非課税である。

雇用継続給付の種類

雇用保険法第10条第6項が、雇用継続給付として2つを挙げている。

給付条番号
高年齢雇用継続給付雇用保険法第61条・第61条の2
介護休業給付雇用保険法第61条の4

育児休業給付は雇用継続給付ではなく、独立した給付である(雇用保険法第10条第5項)。

高年齢再就職給付金との違い

雇用保険法第61条の見出しは「高年齢雇用継続基本給付金」である。 再就職した場合の高年齢再就職給付金(同法第61条の2)と区別するための名前である。

高年齢再就職給付金は、基本手当を受給した後に再就職した場合の給付である。 基本給付金(同法第61条)とは別の条である。失業給付の所定給付日数を参照。

よくある取り違え

1. 「賃金が下がれば必ず支給される」

75%を下るに至った場合である(雇用保険法第61条第1項)。

2. 「率は15%」

条文にあるのは100分の10である(雇用保険法第61条第5項第1号)。改正で変わっている数なので、条文を確かめること。

3. 「64%以上75%未満の率も条文にある」

無い。厚生労働省令で定める率である(雇用保険法第61条第5項第2号)。

4. 「みなし賃金日額に月数を掛ける」

30を乗じる(雇用保険法第61条第1項)。

5. 「年金には影響しない」

厚生年金保険法附則第11条の6に支給停止の定めがある。

よくある質問

みなし賃金日額とは何ですか

雇用保険法第61条第1項に定めがある。 60歳到達時の賃金をもとに算定する。

支給の期間はいつまでですか

65歳に達する月までである(雇用保険法第61条第2項)。

賃金が上がったらどうなりますか

75%以上になれば支給されない(雇用保険法第61条第1項)。

高年齢再就職給付金とは違いますか

別である。 高年齢再就職給付金は雇用保険法第61条の2にある。この道具は基本給付金(第61条)を扱っている。

申請はどうしますか

雇用保険法第61条には申請の手続が書かれていない。

給付金に所得税はかかりますか

かからない(雇用保険法第12条)。

この計算が扱っていないこと

  • 64%以上75%未満の率(雇用保険法第61条第5項第2号の厚生労働省令)。条文に無いので出さない
  • 支給限度額(雇用保険法第61条第1項第2号・第5項ただし書)。毎年度変更される(同条第7項)
  • 賃金が著しく低い場合の不支給(雇用保険法第61条第6項)
  • みなし賃金日額そのもの(雇用保険法第61条第1項)
  • 受給の要件の判定。60歳以上65歳未満であること、被保険者であった期間が5年以上あることなど(雇用保険法第61条第1項)
  • 在職老齢年金との調整(厚生年金保険法附則第11条の6)
  • 高年齢再就職給付金(雇用保険法第61条の2)

離職したときの失業給付の所定給付日数と、育児休業給付金は別のページにある。数字をどう確かめたかは検算の方法に書いてある。

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同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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