けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

特定親族特別控除の計算

特定親族特別控除とは、生計を一にする決められた年齢の親族がいる場合に、その親族の合計所得金額の区分に応じた額を所得から差し引く所得控除である(所得税法第84条の2第1項)。

令和7年分から始まった控除です。表を写すのではなく、条文の算式そのままで計算します。国税庁の表と全域で一致することを確かめてあります。

計算する

過去の時点を選ぶと、その時の条文で計算します
特定親族1人につき控除する(所得税法第84条の2第1項)

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

特定親族の合計所得金額 900,000円/人数 1人

項目金額条番号
特定親族特別控除610,000円所得税法第84条の2第1項第2号(63万円から 20,000円を引く)
条番号
所得税法第84条の2第1項
適用
所得税法第84条の2第1項。19歳以上23歳未満の親族
出どころ
所得税法(昭和四十年法律第三十三号)
適用年度
計算欄で選んだ時点による。選べる時点を参照
取得日
2026-08-31

この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。所得税法 で今の条文を確かめられます。

確かめ方 国税庁 No.1177 の表と千円きざみで650点(3つの強さの違い

どこまでを計算しているか

下限の58万円は所得税法第84条の2には書かれていない。特定親族は「控除対象扶養親族に該当しないもの」と定められており(同項)、控除対象扶養親族は合計所得金額が58万円以下である(所得税法第2条第1項第34号)。その結果として58万円が下限になる。特定親族が本人として同じ控除を受けている場合などは適用しない(同条第2項)。

選べる時点

e-Gov法令検索の法令APIは、過去の任意の時点で施行されていた条文を返せます。 この道具はその仕組みを使って、次の時点の別表を持っています。

選べる時点
時点施行日改正版ID
現行2026-08-12340AC0000000033_20260812_508AC0000000064
2024-04-01 時点2024-04-01340AC0000000033_20240401_506AC0000000008

条文

所得税法(2026-08-12 施行)から取りました。1014字。

この条文は2024年4月1日時点にはありません。 その後の改正で新しく置かれたものです(比べ方)。

所得税法第84条の2第1項 を開く

(特定親族特別控除)第八十四条の二居住者が生計を一にする年齢十九歳以上二十三歳未満の親族(その居住者の配偶者を除く。)及び児童福祉法第二十七条第一項第三号(都道府県の採るべき措置)の規定により同法第六条の四(定義)に規定する里親に委託された児童(第五十七条第一項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払を受けるもの及び同条第三項に規定する事業専従者に該当するものを除くものとし、合計所得金額が百二十三万円以下であるものに限る。)で控除対象扶養親族に該当しないもの(以下この項及び次項において「特定親族」という。)を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から、その特定親族一人につきその特定親族の次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。一合計所得金額が八十五万円以下である特定親族六十三万円二合計所得金額が八十五万円を超え百十五万円以下である特定親族六十三万円からその特定親族の合計所得金額のうち八十四万一円を超える部分の金額に二を乗じた金額(当該乗じた金額が十万円の整数倍の金額から八万円を控除した金額でないときは、十万円の整数倍の金額から八万円を控除した金額で当該乗じた金額に満たないもののうち最も多い金額とする。)を控除した金額三合計所得金額が百十五万円を超え百二十万円以下である特定親族六万円四合計所得金額が百二十万円を超える特定親族三万円2前項の規定は、次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。一特定親族が前項に規定する居住者として同項の規定の適用を受けている場合二特定親族が、給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象親族(特定親族に限る。)がある居住者として第百八十五条第一項第一号若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)又は第百八十六条第一項第一号若しくは第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該居住者としてこれらの規定の適用を受けている特定親族が、その年分の所得税につき、第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けた者である場合又は確定申告書の提出をし、若しくは決定を受けた者である場合を除く。)三前二号に掲げる場合のほか、政令で定める場合3第一項の規定による控除は、特定親族特別控除という。

特定親族特別控除の対象になるのは、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が123万円以下であり、控除対象扶養親族に該当しないものである。その親族1人につき一定額を引く(所得税法第84条の2第1項)。

第2号の算式

第2号は、63万円から「その特定親族の合計所得金額のうち84万1円を超える部分の金額に2を乗じた金額」を引くと書いている(所得税法第84条の2第1項第2号)。

その引く金額には、さらに条件が付いている。10万円の整数倍から8万円を引いた金額でないときは、10万円の整数倍から8万円を引いた金額のうち、その金額に満たない最も大きいものを使う(同号)。

引く金額は2万円・12万円・22万円…と10万円ずつ増える(所得税法第84条の2第1項第2号)。配偶者特別控除は5万円きざみで、こちらは10万円きざみである。

表と算式が一致することを確かめた

このページは表を写さず、上の算式そのままで計算している。国税庁が公表している表(タックスアンサー No.1177 特定親族特別控除)と、合計所得金額58万1円から123万円まで千円きざみで突き合わせ、650点すべてで一致した(検算の方法)。

下限の58万円は第84条の2に書かれていない

特定親族は「控除対象扶養親族に該当しないもの」と定められている(所得税法第84条の2第1項)。控除対象扶養親族は、扶養親族のうち年齢16歳以上の者であり(同法第2条第1項第34号の2)、扶養親族は合計所得金額が58万円以下の者である(同項第34号)。

その結果として58万円が下限になる。 58万円以下なら扶養控除の対象であり、19歳以上23歳未満なら特定扶養親族として63万円が引ける(同法第2条第1項第34号の3・第84条第1項)。

誰が特定親族になるか

第1項の柱書が、括弧を重ねて対象を絞っている(所得税法第84条の2第1項)。

条件中身
続柄生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者を除く)と、里親に委託された児童
除かれる者青色事業専従者として給与の支払を受ける者と事業専従者所得税法第57条第1項・第3項)
所得合計所得金額が123万円以下
重複の排除控除対象扶養親族に該当しないこと
判定の時期その年12月31日の現況による(所得税法第85条

里親に委託された児童は、児童福祉法第27条第1項第3号により委託されたものである(所得税法第84条の2第1項)。扶養親族の定義(所得税法第2条第1項第34号)にも同じ児童が入っている。 条をまたいで同じ範囲を指している。配偶者は除かれ、配偶者特別控除の側で扱う(所得税法第83条の2)。

「控除対象扶養親族に該当しないもの」なので、扶養控除と同時には使えない。 合計所得金額が58万円以下なら控除対象扶養親族になり(所得税法第2条第1項第34号)、扶養控除の特定扶養親族63万円のほうになる。扶養控除を参照。

扶養控除の切れ目を埋める制度である

特定親族の合計所得金額使う制度条番号
58万円以下扶養控除(特定扶養親族)63万円所得税法第84条第1項
58万円超 85万円以下特定親族特別控除63万円所得税法第84条の2第1項第1号
85万円超 115万円以下特定親族特別控除逓減同項第2号
115万円超 120万円以下特定親族特別控除6万円同項第3号
120万円超 123万円以下特定親族特別控除3万円同項第4号
123万円超どちらも無い同項柱書

58万円を超えた瞬間に63万円が消えるのを防ぐ制度である(所得税法第84条の2第1項第1号)。扶養控除の特定扶養親族の63万円(同法第84条第1項)と、額が連続するように作られている。

逓減の算式を、表に書き写していない

第2号が、63万円から減っていく額を1つの式で書いている(所得税法第84条の2第1項第2号)。

六十三万円からその特定親族の合計所得金額のうち八十四万一円を超える部分の金額に二を乗じた金額(当該乗じた金額が十万円の整数倍の金額から八万円を控除した金額でないときは、十万円の整数倍の金額から八万円を控除した金額で当該乗じた金額に満たないもののうち最も多い金額とする。)を控除した金額

この道具は、この算式をそのまま計算している。 表を書き写していない。

かっこ書きが言っているのは、引く額を「10万円の倍数 − 8万円」の刻みに丸めるということである(所得税法第84条の2第1項第2号かっこ書き)。2万円・12万円・22万円…という並びになる。配偶者特別控除の刻み(5万円の倍数 − 3万円。所得税法第83条の2第1項第1号ロ)とは別の数字である。配偶者特別控除と比べると、起点も倍率も刻みも違う。

配偶者特別控除特定親族特別控除
満額38万円63万円
逓減の起点93万1円84万1円
超える部分に掛ける数1倍2倍
刻み5万円の倍数 − 3万円10万円の倍数 − 8万円
条番号所得税法第83条の2第1項第1号ロ所得税法第84条の2第1項第2号

本人の所得による段は無い

配偶者特別控除には本人の所得で3分の2・3分の1になる段があるが(所得税法第83条の2第1項第2号・第3号)、特定親族特別控除には無い。 第84条の2第1項は本人の合計所得金額を見ていない。

使えなくなる場合が3つある

第2項が定めている(所得税法第84条の2第2項)。

どんな場合
第1号特定親族の側が、本人を特定親族特別控除の対象にしている場合
第2号特定親族が、扶養控除等申告書に源泉控除対象親族を記載した居住者として源泉徴収を受けている場合
第3号前2号のほか、政令で定める場合

第3号は「前二号に掲げる場合のほか、政令で定める場合」である(所得税法第84条の2第2項第3号)。条文が政令に開いている。給与所得者の扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象親族がある居住者として、徴収税額の規定の適用を受けている場合も適用しない(同項第2号)。

この道具は第2項の判定をしていない。

住民税の特定親族特別控除は額が違う

住民税の側は地方税法第314条の2第1項第12号にある。 特定親族の合計所得金額の上限は123万円で所得税と同じだが、額の並びは違う。市町村民税は同号、道府県民税は同法第34条第1項第12号である。

よくある取り違え

1. 「扶養控除と両方使える」

使えない。 第1項が「控除対象扶養親族に該当しないもの」を対象にしている(所得税法第84条の2第1項)。

2. 「大学生なら使える」

条文が見ているのは年齢だけである(所得税法第84条の2第1項)。19歳以上23歳未満という要件で、在学しているかどうかは書かれていない。

3. 「配偶者特別控除と同じ算式」

違う。 起点は84万1円(所得税法第84条の2第1項第2号)で、超える部分に2を乗じる。配偶者特別控除は93万1円で1倍である(同法第83条の2第1項第1号ロ)。

4. 「本人の所得が多いと減る」

減らない。 所得税法第84条の2第1項は本人の合計所得金額を見ていない。

5. 「配偶者も対象になる」

除かれる。 第1項が「その居住者の配偶者を除く」と書いている(所得税法第84条の2第1項)。

よくある質問

いつからの制度ですか

令和7年分から適用される。 この道具は時点を選べるようにしてあり、2024年4月1日時点の所得税法には第84条の2そのものが無い。 その時点を選ぶと「この時点では計算できません」と出す。0円とは出さない。いつの条文で計算するかを参照。

何人でも引けますか

引ける。 第1項は「その特定親族一人につき」と書いており、人数の上限は無い(所得税法第84条の2第1項)。

里親に委託された児童も対象ですか

対象である(所得税法第84条の2第1項)。児童福祉法第27条第1項第3号により委託された児童が挙げられている。

障害者控除と重ねられますか

重ねられる。 障害者控除は所得税法第79条第2項で「扶養親族」を対象にしており、特定親族特別控除(同法第84条の2)とは別の条である。障害者控除を参照。

123万円を1円超えたら

控除は無くなる(所得税法第84条の2第1項柱書)。

源泉徴収ではどう扱われますか

源泉控除対象親族という別の区分がある(所得税法第2条第1項第34号の5)。19歳以上23歳未満で合計所得金額100万円以下の親族が含まれる。123万円ではない。給与の源泉徴収税額(月額表)を参照。

所得税の計算のどこに入るか

特定親族特別控除は所得控除である。所得税法第21条第1項第3号の段で、税率を当てる前の所得から引く。

所得控除どうしの順序は、雑損控除だけが先と決まっている所得税法第87条第1項)。同項は特定親族特別控除を名指しで挙げている。

額の4段

所得税法第84条の2第1項が4つの号で額を定めている。

特定親族の合計所得金額条番号
第1号85万円以下63万円所得税法第84条の2第1項第1号
第2号85万円超115万円以下逓減同項第2号
第3号115万円超120万円以下6万円同項第3号
第4号120万円超3万円同項第4号

第3号と第4号は定額である(所得税法第84条の2第1項第3号・第4号)。逓減するのは第2号だけである。

この計算が扱っていないこと

  • 第2項の3つの適用除外(所得税法第84条の2第2項)
  • 住民税の特定親族特別控除(地方税法第314条の2第1項第12号)
  • 特定親族の合計所得金額の計算そのもの

関連する計算

同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

この計算を何と突き合わせているか いつの条文で計算するか 計算の一覧