けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

地震保険料控除の計算

地震保険料控除とは、居住用家屋や生活用動産を目的とし、地震などによる損害をてん補する契約の保険料を支払った場合に、その額に応じて所得から差し引く所得控除である(所得税法第77条第1項)。

支払った額がそのまま控除額になり、5万円で頭打ちになります(所得税法第77条第1項)。

計算する

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

その年に支払った地震保険料 30,000円

項目金額条番号
地震保険料控除30,000円所得税法第77条第1項

5万円を超える場合(頭打ち)

その年に支払った地震保険料 80,000円

項目金額条番号
地震保険料控除50,000円所得税法第77条第1項(5万円で頭打ち(同項かっこ書き))

ちょうど5万円の場合

その年に支払った地震保険料 50,000円

項目金額条番号
地震保険料控除50,000円所得税法第77条第1項

5万円に届かない場合

その年に支払った地震保険料 12,000円

項目金額条番号
地震保険料控除12,000円所得税法第77条第1項
条番号
所得税法第77条第1項
適用
常時居住する家屋などを目的とする地震保険
出どころ
所得税法(昭和四十年法律第三十三号)
適用年度
所得税法 2026-08-12 施行(改正版 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064)
取得日
2026-08-31

この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。所得税法 で今の条文を確かめられます。

確かめ方 5万円(3つの強さの違い

条文

所得税法(2026-08-12 施行)から取りました。845字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(比べ方)。

所得税法第77条第1項 を開く

(地震保険料控除)第七十七条居住者が、各年において、自己若しくは自己と生計を一にする配偶者その他の親族の有する家屋で常時その居住の用に供するもの又はこれらの者の有する第九条第一項第九号(非課税所得)に規定する資産を保険又は共済の目的とし、かつ、地震若しくは噴火又はこれらによる津波を直接又は間接の原因とする火災、損壊、埋没又は流失による損害(以下この項において「地震等損害」という。)によりこれらの資産について生じた損失の額をてん補する保険金又は共済金が支払われる損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料又は掛金(政令で定めるものを除く。以下この項において「地震保険料」という。)を支払つた場合には、その年中に支払つた地震保険料の金額の合計額(その年において損害保険契約等に基づく剰余金の分配若しくは割戻金の割戻しを受け、又は損害保険契約等に基づき分配を受ける剰余金若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて地震保険料の払込みに充てた場合には当該剰余金又は割戻金の額(地震保険料に係る部分の金額に限る。)を控除した残額とし、その金額が五万円を超える場合には五万円とする。)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。2前項に規定する損害保険契約等とは、次に掲げる契約に附帯して締結されるもの又は当該契約と一体となつて効力を有する一の保険契約若しくは共済に係る契約をいう。一保険業法第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約のうち一定の偶然の事故によつて生ずることのある損害をてん補するもの(前条第六項第四号に掲げるもの及び当該外国損害保険会社等が国外において締結したものを除く。)二農業協同組合法第十条第一項第十号(共済に関する施設)の事業を行う農業協同組合の締結した建物更生共済又は火災共済に係る契約その他政令で定めるこれらに類する共済に係る契約3第一項の規定による控除は、地震保険料控除という。

地震保険料控除は、その年に支払った地震保険料の額を、総所得金額などから引く制度である(所得税法第77条第1項)。

上限は5万円。控除額はそれだけで決まる

地震保険料控除は、段や割合を使わない。その年中に支払った地震保険料の合計額が、そのまま控除額になる。ただし5万円を超える場合は5万円である(所得税法第77条第1項)。

支払った地震保険料控除額条番号
5万円以下支払った額所得税法第77条第1項
5万円超5万円同項かっこ書き

割合を掛けない。段も無い。 生命保険料控除(所得税法第76条)が新旧の3枠と算式を持つのに対し、地震保険料控除は1つの上限だけで決まる。生命保険料控除と比べると条文の作りがまったく違う。

剰余金や割戻金は差し引く

第1項は「その年において損害保険契約等に基づく剰余金の分配若しくは割戻金の割戻しを受け、又は……剰余金若しくは割戻金をもつて地震保険料の払込みに充てた場合には当該剰余金又は割戻金の額……を控除した残額」と書いている(所得税法第77条第1項かっこ書き)。

払った額そのままではない。 剰余金の分配を受けていれば、その分を引いた残額で判定する。

対象になる資産は2つ

資産条番号
自己または生計を一にする配偶者その他の親族の有する家屋で、常時その居住の用に供するもの所得税法第77条第1項
これらの者の有する生活に通常必要な動産所得税法第9条第1項第9号に規定する資産)所得税法第77条第1項

別荘や賃貸用の建物は「常時その居住の用に供するもの」に当たらない。 条文が居住の用に供していることを求めている。

対象になるのは、地震・噴火・これらによる津波を直接または間接の原因とする火災、損壊、埋没、流失による損害をてん補する契約である(所得税法第77条第1項)。地震そのものによる損害に限られていない。

損害保険契約等の範囲

第2項が2つの号で定めている(所得税法第77条第2項)。

中身
第1号損害保険会社または外国損害保険会社等の締結した保険契約のうち、一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補するもの
第2号農業協同組合の締結した建物更生共済または火災共済に係る契約その他政令で定めるこれらに類する共済に係る契約

共済も対象である。 保険会社の契約に限られていない。

旧長期損害保険料の経過措置は、この条には無い

平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約について、地震保険料控除に代えて適用できる経過措置がある。この定めは所得税法第77条にも租税特別措置法にも無い。平成18年の改正法の附則にある。

条番号を e-Gov法令API で確かめられなかったので、この道具では扱っていない。 憲法8-1により、条番号を書けない数値は出さない。

住民税の地震保険料控除は上限が違う

所得税住民税
控除額支払額(5万円が上限)支払額の2分の1(2万5,000円が上限)
条番号所得税法第77条第1項地方税法第314条の2第1項第5号の3

住民税は半分になる。 市町村民税は地方税法第314条の2第1項第5号の3、道府県民税は同法第34条第1項第5号の3にある。住民税の所得割そのものは住民税の所得割と均等割にある。

端数の扱い

所得税法第77条第1項は端数について何も書いていない。 支払額をそのまま使い、5万円で頭打ちにするだけである。

よくある取り違え

1. 「火災保険料も控除できる」

対象は地震等損害部分の保険料または掛金である(所得税法第77条第1項)。火災保険に地震保険を付帯している場合、地震等損害部分だけが対象になる。

2. 「賃貸に出している家の地震保険も対象」

「常時その居住の用に供するもの」と書かれている(所得税法第77条第1項)。居住していない家屋は対象外である。

3. 「住民税も5万円まで」

住民税は2万5,000円が上限である(地方税法第314条の2第1項第5号の3)。しかも支払額の2分の1になる。

4. 「共済は対象外」

農業協同組合の建物更生共済などは対象である(所得税法第77条第2項第2号)。

5. 「旧長期損害保険料も5万円まで」

この道具は経過措置を扱っていない。 所得税法第77条には定めが無く、条番号を確かめられていない。

よくある質問

何年分まとめて払った場合はどうなりますか

第1項は「その年中に支払つた地震保険料の金額の合計額」と書いている(所得税法第77条第1項)。数年分を一括で払った場合の按分について、所得税法第77条は何も書いていない。

契約者と支払った人が違う場合は

第1項は「支払つた場合には」と書いている(所得税法第77条第1項)。支払った居住者について適用される。

家族名義の家屋でも対象になりますか

自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族の有する家屋であればよい(所得税法第77条第1項)。自分名義に限られていない。

生命保険料控除と重ねられますか

重ねられる。別の条である。 生命保険料控除は所得税法第76条、地震保険料控除は同法第77条にある。生命保険料控除を参照。

上限の5万円は世帯単位ですか

第1項は「その居住者の……総所得金額……から控除する」と書いている(所得税法第77条第1項)。居住者ごとに適用される。

所得税の計算のどこに入るか

地震保険料控除は所得控除である。所得税法第21条第1項第3号の段で、税率を当てる前の所得から引く。

所得控除どうしの順序は、雑損控除だけが先と決まっている所得税法第87条第1項)。同項は地震保険料控除を名指しで挙げている。引く先は総所得金額・山林所得金額・退職所得金額の順である(同条第2項)。

この計算が扱っていないこと

  • 旧長期損害保険料の経過措置。所得税法第77条にも租税特別措置法にも無く、条番号を確かめられていない
  • 地震等損害部分の保険料の切り分け。金額を入れてもらう形にしている
  • 住民税の地震保険料控除(地方税法第314条の2第1項第5号の3)

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同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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