けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

基礎控除の計算

基礎控除とは、合計所得金額が一定額以下である居住者について、その年分の総所得金額などから決められた額を差し引く所得控除である(所得税法第86条第1項)。

合計所得金額によって4段階に分かれ、2,500万円を超えると受けられません(所得税法第86条第1項)。令和7年分は、合計所得金額655万円以下なら5万〜37万円が加算されます(租税特別措置法第41条の16の2第1項)。令和8年分は2026年12月1日施行の改正で額が変わります(基礎控除62万円)。

計算する

過去の時点や、施行前の条文を選ぶと、その条文で計算します

次に使う計算:所得控除を引いた後の所得税額を計算する

計算例

既定の入力の場合、基礎控除の額は630,000円である(租税特別措置法第41条の16の2第1項(所得税法第86条第1項の規定にかかわらず、同項第1号の額に加算))。下の例はこの画面の計算そのもので出しており、行ごとに条番号を付けている。

既定の入力

あなたの合計所得金額 5,000,000円

項目金額条番号
基礎控除580,000円所得税法第86条第1項第1号
基礎控除に加算する額(令和7年分)50,000円租税特別措置法第41条の16の2第1項第1号ニ
基礎控除の額630,000円租税特別措置法第41条の16の2第1項(所得税法第86条第1項の規定にかかわらず、同項第1号の額に加算)
  • 令和7年分の額である。今日施行中の条文は令和7年分・令和8年分と書いているが、2026-12-01 施行の改正で令和8年分から額が変わり、この額は令和7年分だけに当たる(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)附則第9条・第45条第1項)。令和8年分は、時点で「令和8年分から当てはまる条文」を選ぶ

措置法の加算が最も大きい場合(合計所得金額132万円)

あなたの合計所得金額 1,320,000円

項目金額条番号
基礎控除580,000円所得税法第86条第1項第1号
基礎控除に加算する額(令和7年分)370,000円租税特別措置法第41条の16の2第1項第1号イ
基礎控除の額950,000円租税特別措置法第41条の16の2第1項(所得税法第86条第1項の規定にかかわらず、同項第1号の額に加算)
  • 令和7年分の額である。今日施行中の条文は令和7年分・令和8年分と書いているが、2026-12-01 施行の改正で令和8年分から額が変わり、この額は令和7年分だけに当たる(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)附則第9条・第45条第1項)。令和8年分は、時点で「令和8年分から当てはまる条文」を選ぶ

措置法の加算が最も小さい場合(合計所得金額500万円)

あなたの合計所得金額 5,000,000円

項目金額条番号
基礎控除580,000円所得税法第86条第1項第1号
基礎控除に加算する額(令和7年分)50,000円租税特別措置法第41条の16の2第1項第1号ニ
基礎控除の額630,000円租税特別措置法第41条の16の2第1項(所得税法第86条第1項の規定にかかわらず、同項第1号の額に加算)
  • 令和7年分の額である。今日施行中の条文は令和7年分・令和8年分と書いているが、2026-12-01 施行の改正で令和8年分から額が変わり、この額は令和7年分だけに当たる(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)附則第9条・第45条第1項)。令和8年分は、時点で「令和8年分から当てはまる条文」を選ぶ

措置法の加算が無くなる場合(合計所得金額655万円を1円超える)

あなたの合計所得金額 6,550,001円

項目金額条番号
基礎控除580,000円所得税法第86条第1項第1号
  • 合計所得金額が6,550,000円を超えるので、租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算は無い(令和7年分)

第1号に当たる場合(合計所得金額2,350万円)

あなたの合計所得金額 23,500,000円

項目金額条番号
基礎控除580,000円所得税法第86条第1項第1号
  • 合計所得金額が6,550,000円を超えるので、租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算は無い(令和7年分)

第2号に当たる場合(2,350万円を1円超える)

あなたの合計所得金額 23,500,001円

項目金額条番号
基礎控除480,000円所得税法第86条第1項第2号
  • 合計所得金額が6,550,000円を超えるので、租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算は無い(令和7年分)

第3号に当たる場合(合計所得金額2,450万円)

あなたの合計所得金額 24,500,000円

項目金額条番号
基礎控除320,000円所得税法第86条第1項第3号
  • 合計所得金額が6,550,000円を超えるので、租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算は無い(令和7年分)

第4号に当たる場合(合計所得金額2,500万円)

あなたの合計所得金額 25,000,000円

項目金額条番号
基礎控除160,000円所得税法第86条第1項第4号
  • 合計所得金額が6,550,000円を超えるので、租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算は無い(令和7年分)

柱書の対象から外れる場合(2,500万円を1円超える)

あなたの合計所得金額 25,000,001円

項目金額条番号
基礎控除0円所得税法第86条第1項(柱書。合計所得金額2,500万円超は控除なし)
  • 合計所得金額が6,550,000円を超えるので、租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算は無い(令和7年分)
条番号
所得税法第86条第1項
適用
所得税法第86条第1項。合計所得金額が2,500万円以下の居住者。令和7年分は租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算がある。令和8年分は2026年12月1日施行の改正で額が変わる
出どころ
所得税法(昭和四十年法律第三十三号)
適用年度
計算欄で選んだ時点による。選べる時点を参照
取得日
2026-10-04

この計算は 2026-10-04 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。所得税法 で今の条文を確かめられます。

有資格者の監修は受けていません。ここに出る金額は、申告・届出・請求に用いる金額そのものではありません(運営者情報)。

確かめ方中 4段の額と境目。**どの上限にどの額が付くかを、条文の号ごとに照合**(第1号〜第4号の8個)(検算の3つの強さの違い)

選べる時点

e-Gov法令検索の法令APIは、過去の任意の時点で施行されていた条文を返せます。 この道具はその仕組みを使って、次の時点の別表を持っています。公布済みでまだ施行されていない改正も、同じ仕組みで取っています。

選べる時点
時点施行日改正版ID
現行2026-10-01340AC0000000033_20261001_507AC0000000070
2024-04-01 時点2024-04-01340AC0000000033_20240401_506AC0000000008
令和8年分から当てはまる条文2026-12-01340AC0000000033_20261201_508AC0000000012

条文

所得税法(2026-10-01 施行)から取りました。284字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点から変わっています。 文字が変わったことだけを確かめています。答えが変わるかは別です(時点ごとに何が変わったか)。

所得税法第86条第1項 を開く

(基礎控除)第八十六条合計所得金額が二千五百万円以下である居住者については、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。一その居住者の合計所得金額が二千三百五十万円以下である場合五十八万円二その居住者の合計所得金額が二千三百五十万円を超え二千四百万円以下である場合四十八万円三その居住者の合計所得金額が二千四百万円を超え二千四百五十万円以下である場合三十二万円四その居住者の合計所得金額が二千四百五十万円を超え二千五百万円以下である場合十六万円2前項の規定による控除は、基礎控除という。

基礎控除は、合計所得金額が2,500万円以下である居住者について、総所得金額などから一定額を引く制度である(所得税法第86条第1項)。合計所得金額が2,500万円を超える場合、同項の対象から外れるため控除はない。

今日施行中の条文では、令和7年分と令和8年分は、合計所得金額が655万円以下なら、第86条第1項の額に5万円から37万円が加算される(租税特別措置法第41条の16の2第1項)。上の計算欄はこの加算も出す。

ただし令和8年分には、2026年12月1日施行の改正が当たる。第1号の額が62万円になり、加算も42万円・5万円の2段になる(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)附則第9条・第45条)。計算欄の時点で「2026-12-01 施行の条文」を選ぶと、その額で計算する。詳しくは下の節に書いた。

4段階と号番号

段を決めるのは合計所得金額で、2,500万円を超えると基礎控除は無くなる(所得税法第86条第1項)。

合計所得金額控除額条番号
2,350万円以下58万円所得税法第86条第1項第1号
2,350万円超 2,400万円以下48万円同項第2号
2,400万円超 2,450万円以下32万円同項第3号
2,450万円超 2,500万円以下16万円同項第4号
2,500万円超なし同項柱書の対象外

令和7年分は、措置法で加算がある

今日施行中の条文は「令和7年分・令和8年分」と書いているが、令和8年分には2026年12月1日施行の改正後の額が当たる(改正法附則第45条第1項は、令和7年分だけ従前の例によると定める)。下の表は令和7年分の額である。令和8年分は次の節を見ること。

租税特別措置法第41条の16の2第1項は、合計所得金額が655万円以下の居住者について、基礎控除の額を「所得税法第86条第1項の規定にかかわらず」同項第1号の58万円に加算した額にする。

合計所得金額加算する額基礎控除の額条番号
132万円以下37万円95万円租税特別措置法第41条の16の2第1項第1号イ
132万円超 336万円以下30万円88万円同号ロ
336万円超 489万円以下10万円68万円同号ハ
489万円超 655万円以下5万円63万円同号ニ
655万円超なし第86条第1項の額のまま同項柱書の対象外

今日施行中の条文では、令和9年分以後は合計所得金額132万円以下の場合だけ37万円を加算する(租税特別措置法第41条の16の2第1項第2号)。2026年12月1日施行の改正後は、これが令和10年分以後になる(2026年12月1日施行の租税特別措置法第41条の16の2第1項第2号)。

この加算は所得税の基礎控除の額の特例である。同項は「所得税に係る合計所得金額」と書き、所得税法第86条第2項の基礎控除の額を置き換えている(租税特別措置法第41条の16の2第1項)。

2026年12月1日施行の改正で、令和8年分から額が変わる

所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号。以下「改正法」)は、2026年12月1日から所得税法第86条第1項第1号と租税特別措置法第41条の16の2第1項を改める。どちらも令和8年分から当たる。改正法の附則は、所得税法第86条について「令和八年分以後の所得税について適用」(改正法附則第9条第1項)、措置法の加算について「令和七年分の所得税に係る…基礎控除の額については、なお従前の例による」(改正法附則第45条第1項)と書いている。

合計所得金額第86条第1項加算基礎控除の額条番号(2026年12月1日施行)
489万円以下62万円42万円104万円所得税法第86条第1項第1号・租税特別措置法第41条の16の2第1項第1号イ
489万円超 655万円以下62万円5万円67万円所得税法第86条第1項第1号・租税特別措置法第41条の16の2第1項第1号ロ
655万円超 2,350万円以下62万円なし62万円所得税法第86条第1項第1号

48万円・32万円・16万円の段は変わらない(2026年12月1日施行の所得税法第86条第1項第2号〜第4号)。

上の計算欄は、既定では今日施行中の条文で計算する。時点で「2026-12-01 施行の条文(令和8年分から当てはまる)」を選ぶと、上の表の額で計算する。

段の境目は「以下」で切れる

各号はいずれも「〜以下である場合」と書かれている(所得税法第86条第1項第1号〜第4号)。合計所得金額が2,350万円ちょうどのときは第1号で58万円、2,350万1円のときは第2号で48万円になる。

合計所得金額とは何か

第86条第1項でいう合計所得金額は、所得税法第2条第1項第30号に規定する合計所得金額である。そう読むことは第86条自身ではなく、所得税法第83条第1項第1号のかっこ書きが定めている(同号は「以下この項、次条第一項、第八十四条の二第一項及び第八十六条第一項(基礎控除)において『合計所得金額』という」と書いている)。中身は、総所得金額、退職所得金額および山林所得金額の合計額である(所得税法第2条第1項第30号イ(2))。給与だけの人は、給与収入から給与所得控除を引いた額がこれにあたる(給与所得控除の計算)。

基礎控除は配偶者控除や扶養控除と同じく所得控除であり、これらを引いた残額が課税総所得金額になる(所得税法第89条第2項)。税額は所得税の税率で計算する。

住民税の基礎控除は、額も段数も違う

所得税の基礎控除と住民税の基礎控除は、別の法律の別の条にある。金額も段数も一致しない。

合計所得金額所得税住民税
2,350万円以下58万円(所得税法第86条第1項第1号)43万円(地方税法第314条の2第2項第1号)
2,350万円超 2,400万円以下48万円(同項第2号)43万円(同号)
2,400万円超 2,450万円以下32万円(同項第3号)29万円(地方税法第314条の2第2項第2号)
2,450万円超 2,500万円以下16万円(同項第4号)15万円(同項第3号)
2,500万円超なしなし

所得税は4段、住民税は3段である(所得税法第86条第1項第1号〜第4号/地方税法第314条の2第2項第1号〜第3号)。住民税の側には58万円の段そのものが無い。

住民税は市町村民税と道府県民税に分かれており、同じ内容が2つの条に別々に書かれている。市町村民税は地方税法第314条の2第2項、道府県民税は同法第34条第2項である。金額はどちらも43万円・29万円・15万円で同じだが、「住民税の基礎控除は第◯条」と1つの条番号で言うことはできない。

住民税の所得割そのものは住民税の所得割と均等割にある。

令和7年の改正で3段から4段になった

現行の第86条第1項は4つの号を持つが、2024年4月1日時点の同項は3つだった。

所得税法第86条第1項を、2つの時点で並べる。

2024-04-01 時点現行条番号
段の数3段4段所得税法第86条第1項
一番大きい控除額48万円58万円所得税法第86条第1項第1号
一番大きい額の上限合計所得金額2,400万円以下合計所得金額2,350万円以下所得税法第86条第1項第1号

58万円の段が新しく入り、48万円の段の上限が2,400万円から2,350万円に下がった(所得税法第86条第1項第1号・第2号)。32万円と16万円の段は変わっていない(同項第3号・第4号)。

上の計算欄で時点を選ぶと、その時点の条文で計算する。2024年4月1日時点には租税特別措置法第41条の16の2が無いので、その時点を選ぶと加算は出ない。e-Gov法令検索の法令APIが過去の時点の条文を返せるので、書き写した数ではなく、その時点の条文そのものから計算している。何が変わって何が変わらなかったかはいつの条文で計算するかにまとめてある。

端数の扱い

第86条第1項は端数について何も書いていない。 控除額は58万円・48万円・32万円・16万円のいずれか(令和7年分以後は、これに租税特別措置法第41条の16の2第1項の加算額を足した額)で、そのまま引く。

端数が出るのは、この後の課税総所得金額の段階である。課税総所得金額は1,000円未満を切り捨てる(国税通則法第118条第1項)。所得控除を引いた残額に端数があっても、基礎控除の側では丸めない。

よくある取り違え

1. 「基礎控除は48万円」

48万円は第2号の額である(所得税法第86条第1項第2号)。現行の第1号は58万円で、合計所得金額2,350万円以下ならこちらが当たる(同項第1号)。改正前は第1号が48万円だった(2024年4月1日時点の所得税法第86条第1項第1号)。

2. 「基礎控除は58万円」

58万円は所得税法第86条第1項第1号の額である。令和7年分は、合計所得金額655万円以下なら加算があり、63万円から95万円になる(租税特別措置法第41条の16の2第1項第1号)。令和8年分は62万円に加算して67万円から104万円になる(2026年12月1日施行の同号)。

3. 「2,400万円を超えると控除が無くなる」

無くなるのは2,500万円を超えたときである(所得税法第86条第1項柱書)。2,400万円超2,450万円以下では32万円、2,450万円超2,500万円以下では16万円が残る(同項第3号・第4号)。

4. 「住民税も58万円」

住民税の基礎控除は43万円である(地方税法第314条の2第2項第1号・同法第34条第2項第1号)。所得税の基礎控除が引き上げられても、住民税の側の条文が変わらなければ住民税の基礎控除は変わらない。

5. 「収入が2,350万円以下なら58万円」

見るのは収入ではなく合計所得金額である(所得税法第86条第1項第1号)。給与だけの人なら、給与収入から給与所得控除を引いた後の額で判定する(給与所得控除の計算)。

6. 「基礎控除は誰でも引ける」

合計所得金額が2,500万円を超える居住者には適用しない(所得税法第86条第1項柱書)。柱書が「合計所得金額が二千五百万円以下である居住者については」と対象を限っているためである。

よくある質問

合計所得金額に退職金や山林所得は入りますか

入る。 合計所得金額は、総所得金額・退職所得金額・山林所得金額の合計額である(所得税法第2条第1項第30号イ(2))。退職所得は分離課税だが、この判定では合計する。退職所得の金額は退職所得と退職所得控除で計算できる。

給与所得控除と基礎控除はどちらが先ですか

給与所得控除が先である。 給与所得の金額は給与収入から給与所得控除額を引いて出す(所得税法第28条第2項)。基礎控除はその後の所得の合計から引く所得控除である(所得税法第86条第1項)。順番が逆になると、合計所得金額の判定そのものがずれる。

配偶者や扶養親族の側にも基礎控除はありますか

ある。 基礎控除は居住者ごとに適用される(所得税法第86条第1項)。ただし配偶者控除の対象になる控除対象配偶者には合計所得金額の要件があり(所得税法第2条第1項第33号)、その要件の判定は基礎控除とは別に行う。配偶者控除を参照。

年末調整で基礎控除は引かれますか

引かれる。 ただし合計所得金額が2,400万円を超えると段が変わるため、その判定に必要な申告書の提出が要る。申告書の様式そのものは所得税法第86条には書かれていない。

非居住者にも基礎控除はありますか

第86条第1項は「居住者については」と書いている。 非居住者の課税は所得税法第164条以下にあり、この道具は第86条の居住者だけを扱っている。

2,350万円ちょうどのときはどちらの段ですか

第1号の58万円である。 第1号が「二千三百五十万円以下である場合」と書いているためである(所得税法第86条第1項第1号)。第2号は「二千三百五十万円を超え」から始まる。

控除しきれなかった分は繰り越せますか

繰り越せない。 所得税法第86条には繰越しの定めが無い。繰り越せるのは純損失(所得税法第70条)と雑損失(同法第71条)である。純損失の繰越控除を参照。

所得税の計算のどこに入るか

所得税法第21条第1項が、計算の順序を5段に決めている。

段何をするか条番号
第1号所得を10種類に区分し、種類ごとに金額を計算する所得税法第21条第1項第1号
第2号総所得金額・退職所得金額・山林所得金額を計算する同項第2号
第3号基礎控除その他の控除をして、課税総所得金額を計算する同項第3号
第4号課税総所得金額に税率を当てて所得税の額を計算する同項第4号
第5号配当控除・外国税額控除などの税額控除を引く同項第5号

基礎控除は第3号にある。 税額から引くのではなく、税率を当てる前の所得から引く。配当控除(所得税法第92条)や外国税額控除(同法第95条)は第5号で、こちらは税額から引く。この違いを取り違えると、控除額そのものは同じでも税額が変わる。

第21条第1項第3号は「基礎控除その他の控除をして」と、基礎控除を名指しで挙げている。所得控除のうち条文に名前が出ているのは基礎控除だけである。

所得控除の順序

雑損控除だけは、必ず先に行う(所得税法第87条第1項)。

第87条第1項は、雑損控除と次の14の控除とを行う場合に、まず雑損控除を行うと書いている。

  • 医療費控除/社会保険料控除/小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除/地震保険料控除/寄附金控除
  • 障害者控除/寡婦控除/ひとり親控除/勤労学生控除
  • 配偶者控除/配偶者特別控除/扶養控除/特定親族特別控除/基礎控除

基礎控除どうし、あるいは基礎控除と他の所得控除のあいだに順序は無い。 第87条が順序を決めているのは雑損控除だけである。理由は雑損控除に繰越し(所得税法第71条)があるためで、先に引かないと繰り越す額が変わる。

引く先の順序は第87条第2項にある。総所得金額・山林所得金額・退職所得金額から順次控除する。

合計所得金額と総所得金額等は別のもの

名前が似ているが、指しているものが違う。

語中身条番号
合計所得金額総所得金額・退職所得金額・山林所得金額の合計所得税法第2条第1項第30号イ(2)
総所得金額利子・配当・不動産・事業・給与・譲渡・一時・雑を合算したもの所得税法第22条第2項

基礎控除の段を決めるのは合計所得金額のほうである(所得税法第86条第1項各号)。総所得金額だけで判定すると、退職所得や山林所得がある人で段がずれる。

なお、医療費控除の足切り(所得税法第73条第1項)や寄附金控除の上限(同法第78条第1項)が見ているのは「総所得金額等」で、これもまた別の語である。条文が使っている語をそのまま読むこと。

条文の言い方をそのまま読む

所得税法第86条第1項の柱書は次のように書いている。

合計所得金額が二千五百万円以下である居住者については、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する

ここから3つのことが読める。

  1. 対象は「合計所得金額が2,500万円以下である居住者」に限られる(所得税法第86条第1項柱書)。2,500万円を超える人は各号を見るまでもなく対象外である
  2. 引く先は「総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額」である。 総所得金額だけではない
  3. 額は「各号に定める金額」である。 柱書自身は金額を書いていない

同条第2項は「前項の規定による控除は、基礎控除という」とだけ書いている。名前を決めているのは所得税法第86条第2項であって、第1項ではない。

何を入れれば正しく計算できるか

上の計算欄に入れるのは合計所得金額である(所得税法第86条第1項各号)。給与だけの人は次の順で出す。

  1. 給与収入から給与所得控除額を引く(所得税法第28条第2項)→ 給与所得控除の計算
  2. 他に所得があれば足す(所得税法第22条第2項)
  3. 退職所得と山林所得があれば足す(所得税法第2条第1項第30号イ(2))

社会保険料控除や生命保険料控除を引く前の額である。 それらは基礎控除と同じ所得控除で、合計所得金額を出した後に引く(所得税法第74条・第76条)。引いてから判定すると段がずれる。

この計算が扱っていないこと

関連する計算

同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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