法人税の税率と税額の計算
法人税の税率とは、内国法人の各事業年度の所得の金額に乗じる率で、法人の区分と所得の金額の区分に応じて定められているものである(法人税法第66条第1項・第2項・第4項/租税特別措置法第42条の3の2第1項・第3項)。
中小法人の15%は法人税法には書かれていません。法人税法第66条第2項は19%と書いており、それを租税特別措置法が読み替えています。
計算例
下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。
既定の入力
各事業年度の所得の金額 10,000,000円/事業年度終了の時の資本金の額 10,000,000円/事業年度の月数 12月/措置法の軽減税率を使える はい
| 項目 | 金額 | 条番号 |
|---|
| 年800万円以下の部分(15%) | 8,000,000円 | 租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号 |
| それを超える部分(23.2%) | 2,000,000円 | 法人税法第66条第1項 |
| 課税される所得の金額 | 10,000,000円 | 法人税法第66条第1項 |
| 各事業年度の所得に対する法人税額 | 1,664,000円 | 租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号 |
- 資本金100,000,000円以下なので、年8,000,000円以下の部分に15%が使える(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)
- 措置法の軽減税率は令和9年3月31日までの間に開始する事業年度に適用される(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)
- 地方法人税・法人住民税・法人事業税は別の法律にある。この道具は扱っていない
- 条番号
- 法人税法第66条第1項・第2項・第4項/租税特別措置法第42条の3の2第1項・第3項
- 適用
- 法人税法第66条第1項。内国法人である普通法人の各事業年度の所得
- 出どころ
- 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)
- 適用年度
- 法人税法 2026-08-12 施行(改正版 340AC0000000034_20260812_508AC0000000064)
- 出どころ
- 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)
- 適用年度
- 租税特別措置法 2026-08-12 施行(改正版 332AC0000000026_20260812_508AC0000000064)
- 取得日
- 2026-08-31
この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。法人税法 で今の条文を確かめられます。
確かめ方弱 23.2%・19%・15%・17%と、800万円・10億円の境目、月割り(3つの強さの違い)
どこまでを計算しているか
内国法人である普通法人の、各事業年度の所得に対する法人税だけを扱っている。軽減税率が使えない法人の判定(法人税法第66条第5項の相互会社・大法人による完全支配関係など、および租税特別措置法第42条の4第19項第8号の適用除外事業者)はしていない。利用者が選ぶ形にしている。税額控除も引いていない。
条文
法人税法(2026-08-12 施行)/租税特別措置法(2026-08-12 施行)から取りました。2369字。
この計算が使う条文は、2024年4月1日時点から変わっています。 文字が変わったことだけを確かめています。答えが変わるかは別です(何が変わったか)。
法人税法第66条第1項・第2項・第4項/租税特別措置法第42条の3の2第1項・第3項 を開く
(各事業年度の所得に対する法人税の税率)第六十六条内国法人である普通法人、一般社団法人等(別表第二に掲げる一般社団法人、一般財団法人及び労働者協同組合並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう。次項及び第三項において同じ。)又は人格のない社団等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の二十三・二の税率を乗じて計算した金額とする。2前項の場合において、普通法人(通算法人を除く。)若しくは一般社団法人等のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が一億円以下であるもの若しくは資本若しくは出資を有しないもの又は人格のない社団等の各事業年度の所得の金額のうち年八百万円以下の金額については、同項の規定にかかわらず、百分の十九の税率による。3公益法人等(一般社団法人等を除く。)又は協同組合等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の十九の税率を乗じて計算した金額とする。4事業年度が一年に満たない法人に対する第二項の規定の適用については、同項中「年八百万円」とあるのは、「八百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。5内国法人である普通法人のうち各事業年度終了の時において次に掲げる法人に該当するものについては、第二項の規定は、適用しない。一保険業法に規定する相互会社(次号ロにおいて「相互会社」という。)二大法人(次に掲げる法人をいう。以下この号及び次号において同じ。)との間に当該大法人による完全支配関係がある普通法人イ資本金の額又は出資金の額が五億円以上である法人ロ相互会社(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)ハ第四条の三(受託法人等に関するこの法律の適用)に規定する受託法人(第六号において「受託法人」という。)三普通法人との間に完全支配関係がある全ての大法人が有する株式及び出資の全部を当該全ての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合において当該いずれか一の法人と当該普通法人との間に当該いずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときの当該普通法人(前号に掲げる法人を除く。)四投資法人五特定目的会社六受託法人6第一項の場合において、中小通算法人(大通算法人(通算法人である普通法人又は当該普通法人の各事業年度終了の日において当該普通法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうち、いずれかの法人が次に掲げる法人に該当する場合における当該普通法人をいう。)以外の普通法人である通算法人をいう。以下この条において同じ。)の当該各事業年度の所得の金額のうち軽減対象所得金額以下の金額については、同項の規定にかかわらず、百分の十九の税率による。一当該各事業年度終了の時における資本金の額又は出資金の額が一億円を超える法人二当該各事業年度終了の時において前項第一号から第三号まで又は第六号に掲げる法人に該当する法人7前項に規定する軽減対象所得金額とは、八百万円に第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額(同項の中小通算法人が通算子法人である場合において、同項の各事業年度終了の日が当該中小通算法人に係る通算親法人の事業年度終了の日でないときは、八百万円を十二で除し、これに当該中小通算法人の事業年度の月数を乗じて計算した金額)をいう。一当該中小通算法人の当該各事業年度の所得の金額二当該中小通算法人の当該各事業年度及び当該各事業年度終了の日において当該中小通算法人との間に通算完全支配関係がある他の中小通算法人の同日に終了する事業年度の所得の金額の合計額8前二項の規定を適用する場合において、前項各号の所得の金額が同項の中小通算法人の同項第一号の各事業年度又は同項第二号の他の中小通算法人の同号に規定する日に終了する事業年度(以下この条において「通算事業年度」という。)の第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書に当該通算事業年度の所得の金額として記載された金額(以下この項及び第十項において「当初申告所得金額」という。)と異なるときは、当初申告所得金額を当該各号の所得の金額とみなす。9通算事業年度のいずれかについて修正申告書の提出又は更正がされる場合において、次に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第七項の中小通算法人の同項第一号の各事業年度については、前項の規定は、適用しない。一前項の規定を適用しないものとした場合における第七項第二号に掲げる金額が八百万円以下である場合二第六十四条の五第六項(損益通算)の規定の適用がある場合三第六十四条の五第八項の規定の適用がある場合10通算事業年度について前項(第三号に係る部分を除く。)の規定を適用して修正申告書の提出又は更正がされた後における第八項の規定の適用については、当該修正申告書又は当該更正に係る国税通則法第二十八条第二項(更正又は決定の手続)に規定する更正通知書に当該通算事業年度の所得の金額として記載された金額を当初申告所得金額とみなす。11通算親法人の事業年度が一年に満たない場合における当該通算親法人及び他の通算法人に対する第七項及び第九項の規定の適用については、第七項中「八百万円に」とあるのは「八百万円を十二で除し、これに同項の中小通算法人に係る通算親法人の事業年度の月数を乗じて計算した金額に」と、第九項第一号中「八百万円」とあるのは「八百万円を十二で除し、これに当該中小通算法人に係る通算親法人の事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。12第四項、第七項及び前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
内国法人である普通法人の各事業年度の所得に対する法人税は、所得の金額に23.2%を掛けて計算する(法人税法第66条第1項)。
中小法人には軽減税率がある。 ただし、実際に使う率は法人税法には書かれていない。
15%は租税特別措置法にある
法人税法第66条第2項は、資本金1億円以下の普通法人などの年800万円以下の部分について「百分の十九の税率による」と書いている(法人税法第66条第2項)。19%である。
租税特別措置法第42条の3の2第1項が、この19%を15%に読み替えている(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)。同じ表の第四欄には「所得の金額が年十億円を超える事業年度については、百分の十七」とも書いてある(同号)。
| 場合 | 税率 | 条番号 |
|---|
| 原則(所得の全額) | 23.2% | 法人税法第66条第1項 |
| 資本金1億円以下の年800万円以下の部分(本則) | 19% | 法人税法第66条第2項 |
| 同上(措置法の読み替え) | 15% | 租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号 |
| 同上で所得が年10億円を超える事業年度 | 17% | 同号 |
措置法の読み替えには期限がある。 平成24年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用される(租税特別措置法第42条の3の2第1項)。
10億円を見るのは所得の全体である
第四欄のかっこ書きは「所得の金額が年十億円を超える事業年度については」と書いている(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)。
800万円を超える部分が10億円を超えるか、ではない。 その事業年度の所得の金額そのもので判定する。したがって所得が10億円を超えると、800万円以下の部分の率が15%から17%に上がる(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)。
事業年度が1年に満たないときは月割りする
法人税法第66条第4項は、第2項の「年八百万円」を「八百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と読み替えている(法人税法第66条第4項)。
10億円のほうも同じく月割りする(租税特別措置法第42条の3の2第3項)。
途中で丸めるとは書かれていない。 この道具は掛けてから割っているので、端数は出ない(法人税法第66条第4項)。先に12で割ってから月数を掛けると、800万円・12か月でも1円足りなくなる。
軽減税率が使えない中小法人がある
資本金が1億円以下でも、次に当たる法人には法人税法第66条第2項が適用されない(法人税法第66条第5項)。
- 保険業法に規定する相互会社(法人税法第66条第5項第1号)
- 資本金5億円以上の大法人などによる完全支配関係がある普通法人(同項第2号)
- 投資法人・特定目的会社・受託法人(同項第4号から第6号まで)
措置法のほうも、適用除外事業者と通算法人を除いている(租税特別措置法第42条の3の2第1項)。
この道具は、当たるかどうかを判定していない。 入力欄のチェックで選ぶ形にしている。
中小法人の判定は資本金だけではない
法人税法第66条第2項は「普通法人のうち資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの」を対象にしている。
ただし第5項が除外を定めている(法人税法第66条第5項)。大法人による完全支配関係がある法人などが除かれる。
資本金1億円以下でも、大法人の子会社は低い税率を使えない(法人税法第66条第5項)。
措置法の率には期間がある
租税特別措置法第42条の3の2第1項は、適用対象となる事業年度を限っている。
法人税法第66条第2項の率は本則で、期間の定めが無い。 措置法の側だけが期間で区切られている。
税額控除は税率を当てた後
法人税額から控除する制度は、法人税法第68条以下にある。
税率(法人税法第66条)を当てて法人税額を出した後の段である。 交際費の損金不算入(租税特別措置法第61条の4)は所得の計算の中で、段が違う。交際費等の損金不算入を参照。
事業年度で判定する
法人税は各事業年度の所得について課する(法人税法第5条)。
資本金の額は、各事業年度終了の時の額で見る(法人税法第66条第2項)。
普通法人以外の税率
法人税法第66条は、普通法人・一般社団法人等・人格のない社団等について税率を定めている。
公益法人等や協同組合等には、法人税法第66条第3項以下に別の率がある。
各事業年度の所得に対して課す
内国法人に対しては、各事業年度の所得について法人税を課する(法人税法第5条)。
事業年度は法人税法第13条第1項による。 会計期間で区切る。
この計算が扱っていないこと
内国法人である普通法人だけを扱っている。 公益法人等・協同組合等・医療法人の率(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第二号から第四号まで)は出していない。通算法人の軽減対象所得金額(法人税法第66条第6項・第7項)も出していない。
所得の金額そのものを計算していない(法人税法第22条)。入れた金額をそのまま使う。
税額控除を引いていない。 減価償却の計算のように、所得の金額を出すまでに使う道具は別のページにある。
地方法人税・法人住民税・法人事業税を扱っていない。 どれも別の法律にある。個人の所得税の税率も別のページにある。
数字をどう確かめたかは検算の方法に、いつの条文で計算しているかはいつの条文で計算するかに書いてある。
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