けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

報酬・料金の源泉徴収税額の計算

報酬・料金の源泉徴収とは、原稿料や弁護士報酬などの支払をする者が、その支払の際に所得税を徴収して国に納付する仕組みである(所得税法第204条第1項・第205条/所得税法施行令第322条/復興財確法第28条第2項・第31条第2項)。

第205条の号は2つしかありません。第1号は100万円まで10%・超える部分20%、第2号は控除してから10%です。どちらになるかは第204条第1項のどの号かで決まります。

計算する

所得税法第204条第1項のどの号に当たるかで、税額の計算の仕方が変わる
区分によって「1回の支払」「その月分」「その月中」のどれかになる
ホステス等の報酬でだけ使う。5,000円にこの日数を掛けた額を引く(所得税法施行令第322条)
外交員・集金人・検針人とホステス等でだけ使う。控除する金額から引く(所得税法施行令第322条)

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

報酬・料金の区分 原稿料・デザイン料・講演料・著作権の使用料など/支払金額 100,000円/計算期間の日数 1日/同じ期間に支払う給与等の額 0円

項目金額条番号
1,000,000円までの部分(10%)100,000円所得税法第205条第1号
所得税10,000円所得税法第205条第1号
復興特別所得税(所得税額の2.1%)210円復興財確法第28条第2項
源泉徴収する税額10,210円復興財確法第31条第2項(所得税と復興特別所得税の合計額で、1円未満を切り捨てる)
  • 区分は「原稿料・デザイン料・講演料・著作権の使用料など」(所得税法第204条第1項第1号)
  • 支払金額のうち1,000,000円までが10%、超える部分が20%(所得税法第205条第1号)
  • 納めるのは徴収した日の属する月の翌月10日まで(所得税法第204条第1項)
条番号
所得税法第204条第1項・第205条所得税法施行令第322条復興財確法第28条第2項・第31条第2項
適用
所得税法第204条第1項。居住者に国内で報酬・料金・契約金・賞金を支払う者
出どころ
所得税法(昭和四十年法律第三十三号)
適用年度
所得税法 2026-08-12 施行(改正版 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064)
出どころ
所得税法施行令(昭和四十年政令第九十六号)
適用年度
所得税法施行令 2026-05-22 施行(改正版 340CO0000000096_20260522_508CO0000000093)
出どころ
東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十七号)
適用年度
東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法 2026-04-01 施行(改正版 423AC0000000117_20260401_508AC0000000012)
取得日
2026-08-31

この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。所得税法 で今の条文を確かめられます。

確かめ方 国税庁が示す10.21%・20.42%と1円きざみで401万点(3つの強さの違い

どこまでを計算しているか

馬主が受ける競馬の賞金(所得税法第204条第1項第8号)は、控除する金額が所得税法施行令第298条第1項によるので、この道具では扱っていない。報酬に消費税が含まれている場合、請求書で報酬と消費税が区分されていれば報酬だけを対象にできるという扱いは、法令ではなく国税庁の質疑応答による。この道具は入れた金額をそのまま対象にする。

条文

所得税法(2026-08-12 施行)/所得税法施行令(2026-05-22 施行)/東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(2026-04-01 施行)から取りました。2627字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(比べ方)。

所得税法第204条第1項・第205条/所得税法施行令第322条/復興財確法第28条第2項・第31条第2項 を開く

(源泉徴収義務)第二百四条居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬若しくは料金、契約金又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。一原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料及び講演料並びにこれらに類するもので政令で定める報酬又は料金二弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金三社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)の規定により支払われる診療報酬(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第三十六条の九第二項(流行初期医療確保措置)の規定により都道府県知事から同項に規定する流行初期医療確保措置に係る事務を委託された同項に規定する支払基金から支払われる同条第一項に規定する流行初期医療の確保に要する費用を含む。)四職業野球の選手、職業拳けん闘家、競馬の騎手、モデル、外交員、集金人、電力量計の検針人その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金五映画、演劇その他政令で定める芸能又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演若しくは演出(指揮、監督その他政令で定めるものを含む。)又は企画の報酬又は料金その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金(これらのうち不特定多数の者から受けるものを除く。)六キャバレー、ナイトクラブ、バーその他これらに類する施設でフロアにおいて客にダンスをさせ又は客に接待をして遊興若しくは飲食をさせるものにおいて客に侍してその接待をすることを業務とするホステスその他の者(以下この条において「ホステス等」という。)のその業務に関する報酬又は料金七役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で政令で定めるもの八広告宣伝のための賞金又は馬主が受ける競馬の賞金で政令で定めるもの2前項の規定は、次に掲げるものについては、適用しない。一前項に規定する報酬若しくは料金、契約金又は賞金のうち、第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(次号において「給与等」という。)又は第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等に該当するもの二前項第一号から第五号まで並びに第七号及び第八号に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金のうち、第百八十三条第一項(給与所得に係る源泉徴収義務)の規定により給与等につき所得税を徴収して納付すべき個人以外の個人から支払われるもの三前項第六号に掲げる報酬又は料金のうち、同号に規定する施設の経営者(以下この条において「バー等の経営者」という。)以外の者から支払われるもの(バー等の経営者を通じて支払われるものを除く。)3第一項第六号に掲げる報酬又は料金のうちに、客からバー等の経営者を通じてホステス等に支払われるものがある場合には、当該報酬又は料金については、当該バー等の経営者を当該報酬又は料金に係る同項に規定する支払をする者とみなし、当該報酬又は料金をホステス等に交付した時にその支払があつたものとみなして、同項の規定を適用する。 (徴収税額)第二百五条前条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする。一前条第一項第一号、第二号、第四号若しくは第五号又は第七号に掲げる報酬若しくは料金又は契約金(次号に掲げる報酬及び料金を除く。)その金額に百分の十(同一人に対し一回に支払われる金額が百万円を超える場合には、その超える部分の金額については、百分の二十)の税率を乗じて計算した金額二前条第一項第二号に掲げる司法書士、土地家屋調査士若しくは海事代理士の業務に関する報酬若しくは料金、同項第三号に掲げる診療報酬、同項第四号に掲げる職業拳けん闘家、外交員、集金人若しくは電力量計の検針人の業務に関する報酬若しくは料金、同項第六号に掲げる報酬若しくは料金又は同項第八号に掲げる賞金その金額(当該賞金が金銭以外のもので支払われる場合には、その支払の時における価額として政令で定めるところにより計算した金額)から政令で定める金額を控除した残額に百分の十の税率を乗じて計算した金額 (支払金額から控除する金額)第三百二十二条法第二百五条第二号(報酬又は料金等に係る徴収税額)に規定する政令で定める金額は、次の表の上欄に掲げる報酬又は料金の区分に応じ、同表の中欄に掲げる金額につき同表の下欄に掲げる金額とする。法第二百四条第一項第二号(報酬、料金等に係る源泉徴収義務)に掲げる司法書士、土地家屋調査士又は海事代理士の業務に関する報酬又は料金同一人に対し一回に支払われる金額一万円法第二百四条第一項第三号に掲げる診療報酬同一人に対しその月分として支払われる金額二十万円法第二百四条第一項第四号に掲げる職業拳けん闘家の業務に関する報酬同一人に対し一回に支払われる金額五万円法第二百四条第一項第四号に掲げる外交員、集金人又は電力量計の検針人の業務に関する報酬又は料金同一人に対しその月中に支払われる金額十二万円(当該報酬又は料金の支払者が当該報酬又は料金の支払を受ける者に対し法第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする場合には、十二万円からその月中に支払われる当該給与等の額を控除した金額)法第二百四条第一項第六号に掲げる報酬又は料金同一人に対し一回に支払われる金額五千円に当該支払金額の計算期間の日数を乗じて計算した金額(当該報酬又は料金の支払者が当該報酬又は料金の支払を受ける者に対し法第二十八条第一項に規定する給与等の支払をする場合には、当該金額から当該期間に係る当該給与等の額を控除した金額)法第二百四条第一項第八号に掲げる広告宣伝のための賞金同一人に対し一回に支払われる金額五十万円法第二百四条第一項第八号に掲げる馬主が受ける競馬の賞金同一人に対し一回に支払われる金額第二百九十八条第一項(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する金額

居住者に国内で報酬・料金・契約金・賞金を支払う者は、支払いの際に所得税を徴収し、徴収した日の属する月の翌月10日までに国に納めなければならない(所得税法第204条第1項)。

対象になるものは第204条第1項に8つの号で挙がっている。税額の計算の仕方は第205条に2つしかない。 どちらになるかは、第204条第1項のどの号に当たるかで決まる。

税額の計算は2つしかない

計算条番号
第1号支払金額のうち100万円までは10%、超える部分は20%所得税法第205条第1号
第2号支払金額から一定額を引いた残額に10%所得税法第205条第2号

第2号の「一定額」は条文に書かれていない。第205条第2号は「政令で定める金額を控除した残額」と書き、その金額は所得税法施行令第322条の表にある。

どの号がどちらになるか

報酬・料金第204条第205条引く金額
原稿料・デザイン料・講演料・著作権の使用料など第1項第1号第1号なし
弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士などの報酬第1項第2号第1号なし
司法書士・土地家屋調査士・海事代理士の報酬第1項第2号第2号1回の支払につき1万円(所得税法施行令第322条)
社会保険診療報酬支払基金から支払われる診療報酬第1項第3号第2号その月分につき20万円(同条)
職業野球の選手・モデル・騎手などの報酬第1項第4号第1号なし
職業拳闘家の報酬第1項第4号第2号1回の支払につき5万円(同条)
外交員・集金人・電力量計の検針人の報酬第1項第4号第2号その月中につき12万円(同条)
映画・演劇などの出演・演出・企画の報酬第1項第5号第1号なし
ホステス等の報酬第1項第6号第2号5,000円 × 計算期間の日数(同条)
役務の提供を約することにより一時に取得する契約金第1項第7号第1号なし
広告宣伝のための賞金第1項第8号第2号1回の支払につき50万円(同条)

同じ第2号でも「1回」「その月分」「その月中」で数え方が違う。 どれで数えるかも所得税法施行令第322条の表に書いてある。

外交員とホステス等は、給与を払っていると引く金額が減る

外交員・集金人・検針人の12万円は、その者に給与等も払っている場合、12万円からその月中の給与等の額を引いた金額になる(所得税法施行令第322条)。ホステス等の5,000円×日数も同じ形で、その期間の給与等の額を引く(同条)。

引いた結果がマイナスになる場合、引く金額は0になる。

10%ではなく10.21%になる理由

第205条が定める税率は10%と20%である(所得税法第205条第1号・第2号)。ここに復興特別所得税が上乗せされる。

復興特別所得税の額は、源泉徴収すべき所得税の額の2.1%である(復興財確法第28条第2項)。10%の2.1%増しが10.21%、20%の2.1%増しが20.42%になる。

1円未満を切り捨てるのは、所得税と復興特別所得税の合計額である復興財確法第31条第2項)。先に所得税を切り捨ててから2.1%を掛けると、支払99円のときに答えが1円ずれる。この道具は合計で1回だけ切り捨てている。同じ扱いは給与の源泉徴収税額でもしている。

100万円の境目

所得税法第205条第1号は「その金額に百分の十(同一人に対し一回に支払われる金額が百万円を超える場合には、その超える部分の金額については、百分の二十)」と書いている(所得税法第205条第1号)。

超える部分だけが20%である。 120万円なら、100万円が10.21%で102,100円、20万円が20.42%で40,840円、合わせて142,940円になる(所得税法第205条第1号)。

この計算が扱っていないこと

源泉徴収しなくてよい場合の判定をしていない。 給与等・退職手当等に当たるもの、給与の支払をしない個人が支払うものなどは、第204条第1項が適用されない(所得税法第204条第2項)。この道具は、源泉徴収する場合の税額だけを出す。

馬主が受ける競馬の賞金を扱っていない(所得税法第204条第1項第8号)。引く金額が所得税法施行令第298条第1項によるためである。

非居住者に支払う報酬を扱っていない。 それは所得税法第212条による。

報酬に消費税が含まれている場合の扱いは、法令ではなく国税庁の質疑応答による。この道具は入れた金額をそのまま対象にする。

支払った側がその後にする加算税の計算や、支払を受けた側の所得税の税率は別のページにある。数字をどう確かめたかは検算の方法に書いてある。

関連する計算

同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

この計算を何と突き合わせているか いつの条文で計算するか 計算の一覧