けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

相続税額の2割加算

相続税額の2割加算とは、被相続人の一親等の血族および配偶者以外の者が財産を取得した場合に、その者の相続税額に決められた割合を加算する仕組みである(相続税法第18条)。

一親等の血族及び配偶者以外の者は、100分の20を加算します(相続税法第18条第1項)。代襲して相続人となった直系卑属は加算しません(同項かっこ書き)。

計算する

一親等の血族と配偶者以外は100分の20を加算する(相続税法第18条第1項)
代襲相続人となった直系卑属は一親等の血族に含める(相続税法第18条第1項かっこ書き)

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

加算する前の相続税額 10,000,000円/被相続人との続柄 孫(養子でない)/代襲して相続人となったか いいえ

項目金額条番号
加算する前の相続税額10,000,000円相続税法第17条
2割加算(100分の20)2,000,000円相続税法第18条第1項
加算後の相続税額12,000,000円相続税法第18条第1項
  • 一親等の血族及び配偶者以外の者は、算出した金額にその100分の20に相当する金額を加算する(相続税法第18条第1項)
  • 加算しないもの: 一親等の血族(子・父母)(相続税法第18条第1項)、配偶者(相続税法第18条第1項)、代襲して相続人となった直系卑属(孫など)(相続税法第18条第1項かっこ書き)
  • 被相続人の直系卑属が養子となっている場合は、一親等の血族に含まない。ただし代襲相続人である場合を除く(相続税法第18条第2項)
条番号
相続税法第18条
適用
相続税法第18条第1項。相続又は遺贈により財産を取得した者
出どころ
相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)
適用年度
相続税法 2026-04-01 施行(改正版 325AC0000000073_20260401_506AC0000000008)
取得日
2026-08-31

この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。相続税法 で今の条文を確かめられます。

確かめ方 1,010点。続柄5通り × 代襲の有無 × 税額で照合。孫養子が代襲なら加算されず、兄弟姉妹は代襲でも加算されることも見た(3つの強さの違い

条文

相続税法(2026-04-01 施行)から取りました。318字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(比べ方)。

相続税法第18条 を開く

(相続税額の加算)第十八条相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつた当該被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、前条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその百分の二十に相当する金額を加算した金額とする。2前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属が当該被相続人の養子となつている場合を含まないものとする。ただし、当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつている場合は、この限りでない。

一親等の血族と配偶者以外は100分の20

相続又は遺贈により財産を取得した者が、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の者である場合、その者に係る相続税額にその100分の20に相当する金額を加算する相続税法第18条第1項)。

「2割加算」と呼ばれるが、条文は100分の20と書いている。

加算するのは、税額控除の前

第18条第1項は「前条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその100分の20に相当する金額を加算した金額とする」と書いている。

前条は相続税法第17条(各相続人等の相続税額)である。 総額を按分した後の額に20%を足す。

条番号
1相続税の総額相続税法第16条
2各相続人等への按分相続税法第17条
32割加算相続税法第18条
4贈与税額控除相続税法第19条
5配偶者の税額軽減相続税法第19条の2
6未成年者控除・障害者控除相続税法第19条の3第19条の4

加算が先で、控除が後である。 順序を逆にすると額が変わる。

一親等の血族とは誰か

父母と子である。 祖父母は二親等、兄弟姉妹も二親等なので、いずれも加算の対象になる。

代襲して相続人となった直系卑属は、一親等の血族に含める(相続税法第18条第1項かっこ書き)。

当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつた当該被相続人の直系卑属を含む

孫は本来二親等だが、代襲相続人なら加算しない。

孫養子だけ、打ち消す規定がある

第1項の一親等の血族には、被相続人の直系卑属が養子となっている場合を含まない(相続税法第18条第2項)。

養子縁組をすれば民法上は子(一親等)になるが、相続税法第18条第2項がそれを打ち消している。

ただし同項ただし書が、代襲相続人である場合を除いている。 代襲相続人であれば孫養子でも加算しない。

加算する・しないの一覧

続柄代襲加算条番号
子・父母しない相続税法第18条第1項
配偶者しない同項
孫(養子でない)するしない同項かっこ書き
孫(養子でない)しないする同項
孫養子するしない相続税法第18条第2項ただし書
孫養子しないする同条第2項
兄弟姉妹・甥姪する同条第1項
受遺者(相続人でない者)する同項

兄弟姉妹は代襲相続人(甥姪)であっても加算する。 かっこ書きが対象にしているのは「直系卑属」だけで、兄弟姉妹の代襲は含まれない。

相続人でない受遺者も対象

第1項は「相続又は遺贈により財産を取得した者」と書いている(相続税法第18条第1項)。相続人に限られない。遺贈を受けた第三者も、一親等の血族と配偶者以外なら加算される。

よくある取り違え

1. 「2割加算は税額控除の後」

前である(相続税法第18条第1項)。第17条の額に加算し、その後で第19条以下の控除を引く。

2. 「孫は必ず加算される」

代襲相続人なら加算しない(相続税法第18条第1項かっこ書き)。

3. 「養子なら加算されない」

孫養子は加算する(相続税法第18条第2項)。代襲相続人である場合を除く。

4. 「甥姪は代襲相続人だから加算しない」

加算する。 かっこ書きの対象は「直系卑属」であって、兄弟姉妹の代襲は含まれない(相続税法第18条第1項)。

5. 「相続人でなければ関係ない」

遺贈を受けた者も対象である(相続税法第18条第1項)。

よくある質問

100分の20とは何に掛けますか

相続税法第17条により算出した金額である(相続税法第18条第1項)。

相続時精算課税を使っていた場合は

相続税法第18条第2項ただし書以下に読み替えの定めがある。 この道具は扱っていない。

配偶者の税額軽減と重なりますか

配偶者は加算の対象外である(相続税法第18条第1項)。

養子の数に制限はありますか

法定相続人の数の制限は相続税法第15条第2項にある。 第18条の加算とは別の話である。

加算後の税額から控除を引くのですか

そのとおりである。 相続税法第19条以下の控除は第18条の後に来る。

内縁の配偶者は

民法上の配偶者ではないので、第18条第1項の「配偶者」に当たらない。 遺贈を受ければ加算の対象になる。

この計算が扱っていないこと

  • 相続時精算課税適用者に係る読み替え(相続税法第18条第2項ただし書以下)
  • 加算する前の相続税額(相続税法第17条)。相続税の基礎控除と総額で計算した額を入れる
  • 法定相続人の数の制限(相続税法第15条第2項)

配偶者の税額軽減は配偶者の相続税額の軽減にある。数字をどう確かめたかは検算の方法にある。

関連する計算

同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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