交際費等の損金不算入額
交際費等の損金不算入とは、法人が支出した交際費等の額のうち、資本金の額などの区分に応じた部分を、所得の金額の計算上損金に算入しない仕組みである(租税特別措置法第61条の4第1項・第2項)。
第2項は「することができる」と書いています。どちらの額が小さいかは金額で変わるので、この道具は両方を出します(租税特別措置法第61条の4第1項・第2項)。
計算例
下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。
既定の入力
その事業年度に支出した交際費等の額 10,000,000円/うち接待飲食費の額 6,000,000円/事業年度終了の日の資本金の額 50,000,000円/事業年度の月数 12月
| 項目 | 金額 | 条番号 |
|---|
| 接待飲食費の50%(損金にできる) | 3,000,000円 | 租税特別措置法第61条の4第1項 |
| 第1項による損金不算入額 | 7,000,000円 | 租税特別措置法第61条の4第1項 |
| 定額控除限度額 | 8,000,000円 | 租税特別措置法第61条の4第2項 |
| 第2項による損金不算入額 | 2,000,000円 | 租税特別措置法第61条の4第2項 |
| 損金の額に算入しない金額 | 2,000,000円 | 租税特別措置法第61条の4第2項(第2項のほうが少ない) |
- 令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用される(租税特別措置法第61条の4第1項)
- 第2項は「することができる」と書いており、選べる。どちらの額が小さいかは金額で変わる
- 接待飲食費の50%が定額控除限度額を超えると、第1項の額のほうが小さくなる
- 交際費等に当たるかどうかの判定はしていない
- 条番号
- 租税特別措置法第61条の4第1項・第2項
- 適用
- 租税特別措置法第61条の4第1項。交際費等を支出した法人
- 出どころ
- 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)
- 適用年度
- 租税特別措置法 2026-08-12 施行(改正版 332AC0000000026_20260812_508AC0000000064)
- 取得日
- 2026-08-31
この計算は 2026-08-31 に取った条文で動いています。 それより後に改正があれば、反映されていないことがあります。租税特別措置法 で今の条文を確かめられます。
確かめ方弱 2つの資本金の線、月割り、第1項と第2項のどちらの額が小さいかの判定を241点で照合(3つの強さの違い)
どこまでを計算しているか
資本金の額による2つの区分だけを扱っている。資本金100億円を超える法人は、接待飲食費の50%も引けない(租税特別措置法第61条の4第1項)。通算法人の定額控除限度額の分配(同条第3項)は扱っていない。交際費等に当たるかどうかの判定もしていない。1人あたり1万円以下の飲食費が交際費等から除かれる扱い(同条第6項第2号)も判定していない。利用者が入れた額をそのまま使う。第1項と第2項のどちらの額が小さいかは金額で変わる。第2項は「することができる」と書いており、選べる。この道具は両方を出す。
条文
租税特別措置法(2026-08-12 施行)から取りました。2762字。
この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(比べ方)。
租税特別措置法第61条の4第1項・第2項 を開く
(交際費等の損金不算入)第六十一条の四法人が平成二十六年四月一日から令和九年三月三十一日までの間に開始する各事業年度(以下この条において「適用年度」という。)において支出する交際費等の額(当該適用年度終了の日における資本金の額又は出資金の額(資本又は出資を有しない法人その他政令で定める法人にあつては、政令で定める金額。以下この項及び次項において同じ。)が百億円以下である法人(通算法人の当該適用年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうちいずれかの法人の同日における資本金の額又は出資金の額が百億円を超える場合における当該通算法人を除く。)については、当該交際費等の額のうち接待飲食費の額の百分の五十に相当する金額を超える部分の金額)は、当該適用年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。2前項の場合において、法人(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十二項に規定する投資法人及び資産の流動化に関する法律第二条第三項に規定する特定目的会社を除く。)のうち当該適用年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が一億円以下であるもの(次に掲げる法人を除く。)については、前項の交際費等の額のうち定額控除限度額(八百万円に当該適用年度の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額をいう。)を超える部分の金額をもつて、同項に規定する超える部分の金額とすることができる。一普通法人のうち当該適用年度終了の日において法人税法第六十六条第五項第二号又は第三号に掲げる法人に該当するもの二通算法人の当該適用年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうちいずれかの法人が次に掲げる法人である場合における当該通算法人イ当該適用年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が一億円を超える法人ロ前号に掲げる法人3通算法人(通算子法人にあつては、当該通算子法人に係る通算親法人の事業年度終了の日において当該通算親法人との間に通算完全支配関係があるものに限る。)に対する前二項の規定の適用については、次に定めるところによる。一通算子法人の適用年度は、当該通算子法人に係る通算親法人の適用年度終了の日に終了する当該通算子法人の事業年度とする。二前項に規定する定額控除限度額は、八百万円に当該適用年度終了の日に終了する当該通算法人に係る通算親法人の事業年度の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額(第四号イにおいて「通算定額控除限度額」という。)に、イに掲げる金額がロに掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額(第五項において「通算定額控除限度分配額」という。)とする。イ当該通算法人が当該適用年度において支出する交際費等の額ロ当該通算法人が当該適用年度において支出する交際費等の額及び当該適用年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人が同日に終了する事業年度において支出する交際費等の額の合計額三前号の規定を適用する場合において、同号イ及びロの交際費等の額が同号の通算法人の同号の適用年度又は同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する事業年度(以下この項において「通算事業年度」という。)の確定申告書等(期限後申告書を除く。)に添付された書類に当該通算事業年度において支出する交際費等の額として記載された金額(以下この号及び第五号において「当初申告交際費等の額」という。)と異なるときは、当初申告交際費等の額を前号イ及びロの交際費等の額とみなす。四通算事業年度のいずれかについて修正申告書の提出又は国税通則法第二十四条若しくは第二十六条の規定による更正(次号において「更正」という。)がされる場合において、次に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第二号の通算法人の同号の適用年度については、前号の規定は、適用しない。イ前号の規定を適用しないものとした場合における第二号ロに掲げる金額が通算定額控除限度額以下である場合ロ法人税法第六十四条の五第六項の規定の適用がある場合ハ法人税法第六十四条の五第八項の規定の適用がある場合五通算事業年度について前号(ハに係る部分を除く。)の規定を適用して修正申告書の提出又は更正がされた後における第三号の規定の適用については、当該修正申告書又は当該更正に係る国税通則法第二十八条第二項に規定する更正通知書に添付された書類に当該通算事業年度において支出する交際費等の額として記載された金額を当初申告交際費等の額とみなす。4前二項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。5第三項の通算法人の適用年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人(以下この項において「他の通算法人」という。)の同日に終了する事業年度において支出する交際費等の額がある場合における当該適用年度に係る第二項の規定は、第七項の規定にかかわらず、当該交際費等の額を支出する他の通算法人の全てにつき、それぞれ同日に終了する事業年度の確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に通算定額控除限度分配額の計算に関する明細書の添付がある場合で、かつ、当該適用年度の確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に通算定額控除限度分配額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。6第一項、第三項及び前項に規定する交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下この項において「接待等」という。)のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く。)をいい、第一項に規定する接待飲食費とは、同項の交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(専ら当該法人の法人税法第二条第十五号に規定する役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。第二号において「飲食費」という。)であつて、その旨につき財務省令で定めるところにより明らかにされているものをいう。一専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用二飲食費であつて、その支出する金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額が政令で定める金額以下の費用三前二号に掲げる費用のほか政令で定める費用7第二項の規定は、確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に同項に規定する定額控除限度額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。8第六項第二号の規定は、財務省令で定める書類を保存している場合に限り、適用する。
法人が支出した交際費等の額は、原則として損金の額に算入しない(租税特別措置法第61条の4第1項)。ただし2つの引き方があり、どちらの額が小さいかは金額で変わる(租税特別措置法第61条の4第1項・第2項)。
第1項と第2項は、別の線と別の効果
| 項 | 資本金の線 | 何ができるか | 条番号 |
|---|
| 第1項 | 100億円以下 | 交際費等のうち接待飲食費の50%を超える部分が損金不算入 | 租税特別措置法第61条の4第1項 |
| 第2項 | 1億円以下 | 定額控除限度額(800万円 × 月数 ÷ 12)を超える部分にできる | 同条第2項 |
100億円と1億円は別の項の線である(租税特別措置法第61条の4第1項・第2項)。1つの条にあるが、資本金の額も効果も違う。
| 資本金 | 使えるもの | 条番号 |
|---|
| 1億円以下 | 第1項と第2項の両方 | 租税特別措置法第61条の4第2項 |
| 1億円超 100億円以下 | 第1項だけ(接待飲食費の50%) | 同条第1項 |
| 100億円超 | どちらも使えない。交際費等の全額が損金不算入 | 同条第1項 |
100億円の線は第1項のかっこ書きにある(租税特別措置法第61条の4第1項)。「資本金の額又は出資金の額が百億円以下である法人については、当該交際費等の額のうち接待飲食費の額の百分の五十に相当する金額を超える部分の金額」と書いており、100億円を超える法人はこのかっこ書きの外になる。
接待飲食費の50%が800万円を超えると、第1項のほうが損金不算入額が小さくなる。 つまり接待飲食費が1,600万円を超えるときである(租税特別措置法第61条の4第1項・第2項)。
第2項は「することができる」
第2項は「……をもつて、同項に規定する超える部分の金額とすることができる」と書いている(租税特別措置法第61条の4第2項)。
義務ではなく選択である。 第1項の計算と第2項の計算のどちらを使うかを選べる。この道具は両方を出す。
この道具は、損金不算入額が小さいほうの項を示すが、同額のときは原則の第1項を返している(租税特別措置法第61条の4第1項)。第2項が選択規定だからである(同条第2項)。
定額控除限度額は月割りする
800万円に適用年度の月数を乗じて12で除して計算した金額である(租税特別措置法第61条の4第2項かっこ書き)。
事業年度が12か月でなければ按分する(租税特別措置法第61条の4第2項かっこ書き)。事業年度が6か月なら400万円になる。
第2項から除かれる法人がある
第2項のかっこ書きが、投資法人と特定目的会社を除いている(租税特別措置法第61条の4第2項)。
さらに号で2つが除かれる。
| 号 | 何 |
|---|
| 第1号 | 普通法人のうち、法人税法第66条第5項第2号または第3号に掲げる法人に該当するもの |
| 第2号 | 通算法人で、通算完全支配関係がある他の通算法人のうちいずれかが資本金1億円超などの法人である場合の当該通算法人 |
資本金1億円以下でも、大法人の子会社などは第2項を使えない(租税特別措置法第61条の4第2項各号)。
通算法人の分配は第3項
通算法人に対する第1項・第2項の適用については、第3項が定めるところによる(租税特別措置法第61条の4第3項)。
この道具は扱っていない。
適用期間がある
第1項は「平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度」と書いている(租税特別措置法第61条の4第1項)。
期間の定めがある特例である。 所得税法や法人税法の本則ではない。この道具は期間の判定をしていない。
1人あたり1万円以下の飲食費
交際費等から除かれる飲食費の定めは、租税特別措置法第61条の4第6項第2号にある。
この道具は判定をしていない。 交際費等の額を入れてもらう形にしている。
よくある取り違え
1. 「資本金1億円が第1項の線」
第1項は100億円である(租税特別措置法第61条の4第1項)。1億円は第2項の線である。
2. 「800万円は年額で固定」
月数で按分する(租税特別措置法第61条の4第2項かっこ書き)。
3. 「第2項は自動的に適用される」
「することができる」である(租税特別措置法第61条の4第2項)。選択である。
4. 「資本金1億円以下なら必ず800万円が使える」
除かれる法人がある(租税特別措置法第61条の4第2項各号)。
5. 「交際費は全額が損金にならない」
接待飲食費の50%は損金になる(租税特別措置法第61条の4第1項)。資本金100億円以下の場合である。
よくある質問
接待飲食費とは何ですか
租税特別措置法第61条の4第6項に定めがある。
交際費等の範囲は
租税特別措置法第61条の4第6項に定義がある。
個人事業者にも適用されますか
第1項は「法人が」と書いている(租税特別措置法第61条の4第1項)。法人税の制度である。
資本金はいつの時点で見ますか
適用年度終了の日における資本金の額または出資金の額である(租税特別措置法第61条の4第1項・第2項)。
期限が来たらどうなりますか
第1項が令和9年3月31日までと書いている(租税特別措置法第61条の4第1項)。
欠損金の繰越控除とは別ですか
別である。 欠損金は法人税法第57条にある。欠損金の繰越控除を参照。
この計算が扱っていないこと
- 交際費等・接待飲食費の判定(租税特別措置法第61条の4第6項)
- 1人あたり1万円以下の飲食費の除外(租税特別措置法第61条の4第6項第2号)。入れた額をそのまま使う
- 適用期間の判定(租税特別措置法第61条の4第1項)
- 通算法人の定額控除限度額の分配(租税特別措置法第61条の4第3項)
- 第2項から除かれる法人の判定(租税特別措置法第61条の4第2項各号)
損金不算入額を足したあとの法人税の税率と、欠損金の繰越控除は別のページにある。数字をどう確かめたかは検算の方法に書いてある。
関連する計算
同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。
この計算を何と突き合わせているか いつの条文で計算するか 計算の一覧